2022.07.08 【電子部品技術総合特集】カーボンニュートラルの取り組み30年から50年までに多くが達成時期目標設定済み

 ESG経営の重要性が一段と増す中で電子部品メーカー各社は、脱炭素/カーボンニュートラルへの取り組み強化に努めている。各社は、地球環境保全要求に対応した事業活動として、省エネ・省資源・リサイクル化の追求、環境配慮型製品開発、再生可能エネルギーの活用拡大、工場スマート化によるCO₂排出量削減など、さまざまな観点から環境に優しいモノづくりを進めている。

 特に2021年以降は、世界的な環境意識の高まりを背景に「カーボンニュートラル」の達成時期目標を策定・公表する電子部品企業も増加しており、その達成のための中長期の環境ロードマップ策定が進展している。

 米国系IT企業や環境規制に厳しい欧州系企業などでは、部品サプライヤーに対するカーボンニュートラル関連の要求事項も厳しさを増している。同時に電子部品技術は、さまざまな産業分野の省エネ・高効率化を促進させるためのイノベーションの源泉として重要視されており、電子部品各社は、機器や装置の高効率化に寄与する環境配慮型製品開発に全力を挙げている。

 電波新聞社が主要電子部品メーカーを対象に実施したアンケートによると、「自社のオペレーションでの再生可能エネルギーの活用の有無」についての質問では、回答29社中、5割強の15社が「導入済み」と回答。「近く導入予定」「導入を検討中」も合わせると9割以上に達する。

 「カーボンニュートラルの達成時期目標」の質問では、回答28社中、約4割の11社が「達成時期の目標を設定済み」と回答し、「近く目標時期を設定する予定」とした企業も4社を数えた。

 「カーボンニュートラルの達成時期目標を設定済み」の企業に対する達成時期目標の質問では、多くの企業が「2050年まで」としているが、早い企業では「2030年まで」と回答した企業もみられている。

 現在の市場では、かつてのように地球温暖化への対応を経済成長の制約やコストとするのではなく、成長の機会と捉える時代となりつつある。企業のビジネス活動面においても環境対応が事業継続における重要事項となっている。