2022.07.22 【家電流通総合特集】全国電機商業組合連合会 峯田季志会長次世代にバトンつなぐ節目の年

峯田 会長

設立60周年を迎える

カーボンニュートラル宣言など3つの基本方針

 ここ数年、私たちを取り巻く環境では、かつて経験したことのないような出来事が起きています。コロナ禍に端を発した中国のロックダウンによる商品の停滞、ウクライナとロシアを巡る情勢、急激な円安などにより、私たちが扱う商品、部材などの値上げが相次いでいます。これらの環境を踏まえながらしっかり取り組んでいかなければなりません。

 今年は、全国電機商業組合連合会の設立60周年に当たります。当初6月開催の総会に合わせて60周年記念式典の開催を予定していましたが、落ち着いているもののコロナ禍が続いていますので、11月開催としました。これまでの実績を振り返り、次の世代へバトンをつなぐことを考えていく節目の年と考えています。

 本年度は三つの基本方針を掲げました。第一に「まちのでんきやによるカーボンニュートラル宣言」、第二に「SDGsへの進化した取り組み」、第三に「DX(デジタルトランスフォーメーション)の積極的な推進と新時代への対応」です。

 「まちのでんきやによるカーボンニュートラル宣言」については、1万3000店の組合員の皆さんに「のぼり」を配布し、全組合員を挙げてカーボンニュートラル宣言をします。のぼりには、さわやかな青空をイメージし、「まちのでんきやは『地球とみなさまの暮らし』のためにカーボンニュートラルを宣言します!」と染め抜きました。

 さらに、省エネ家電の3つ星以上の商品を購入したお客さまにQUOカード1500枚が当たるキャンペーンを年末商戦の11月、12月に実施したいと考えています。

 「SDGsへの進化した取り組み」では、(国連の)17の目標の中で地域電器店は八つの項目に取り組んでいけると考えています。本年度は特に二つに絞っていきます。ナンバー7の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とナンバー12の「つくる責任 つかう責任」の二つを推進していきたいと思っています。

 諸物価が値上がりする中、消費者の皆さんも生活防衛を考慮した買い替えにつながることが考えられます。そのときに、省エネ家電は光熱費の節約になるだけでなく、環境保全や持続可能な社会の実現に貢献することを、大きな視点で語ることができる店、それが組合店であるという姿を目指したいと思っています。

 「つくる責任 つかう責任」についても、超高齢化社会が到来する中で、しっかりした工事や購入後のきめ細かなサポートなど、安心安全を提供することができるのが、地域電器店の強みであると思います。

 「DXの積極的な推進と新時代への対応」では、コロナ禍のため、組合の会議もリモートで開催してきました。この経験を生かし、新しい生活様式に合わせたデジタル化に取り組んでいかなければならないと改めて感じました。組合員の皆さんもコロナ以降はSNSを積極的に活用し、LINEでお客さまとのやりとりをして大きな成果を上げておられます。コロナが終息に向かっても変わることなく、さらに進化していくと思います。

 青年部活動についても期待しています。青年部出身者が理事長や副理事長に就任するケースも見られます。各県単組の活力を作っていく存在として、青年部の力が推進役になっていることも多いと感じています。青年部に参加していただき、事業継承や協業の問題など、さらに力を発揮していただきたいと思っています。

 ガイドライン申告と消費者庁への情報提供を重視し、これまで以上に積極的に取り組んでいきたいと思います。広告宣伝のスタイルもさまざまになり、消費者に有利誤認を与えかねない表現が増えているのではないかということです。正しい表示店頭キャンペーンも継続し、景品表示法と独禁法の申告を含め、実態の把握と問題提起の努力を続けてまいります。

 「街のでんきやは社会のインフラ」と捉え、就任時から「新しい飛躍への結集を」「活力の輪を広げていこう」と訴えてきました。本年も、組合員の連携強化を掲げ、厳しい時代を、心を一つにして知恵を出し合い、乗り越えていきたいと思っています。