2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】ミカサ商事選ばれるユニークな企業目指し 株式公開へ体制づくり

中西 社長

 ミカサ商事は株式公開に向けての体制づくりを進めている。

 中西日出喜社長は、株式公開の目的を「産業、社会、ライフスタイルが世界中で急速に変化する中、エレクトロニクス商社の付加価値が販売力から技術力へ、ハードウエアからソフトウエアへシフトしている。グループの多様なナレッジを活用し、ハードウエアとソフトウエアによるソリューションを付加価値にして常にお客さまに選ばれるユニークな企業でなければならない。そのためにも株式公開し、ステークホルダーの皆さんと共に、持続的に成長し続ける企業グループを構築していく」と説明する。

 6月に中期経営計画を見直し、2024年度に売上高で21年度比15%増、営業利益で同1・5倍を目標とする新中計を策定した。事業もエレクトロニクス商社機能、ハードとソフトを融合した高付加価値のソリューション機能に、インターチップ、ガウディ2社を核とするメーカー機能を加えた3本柱にくくり直した。高収益力基盤の確立を目指す。

 商社機能では、台湾のマイコン、アナログIC、韓国の電子材料、振動モーター、日本の監視カメラ、オプトデバイスなどの成長商材、新商材を拡販。20年に開設したドイツ・デュッセルドルフ、中国・天津支店を加えたグローバル営業ネットワークを駆使する。

 ソリューション機能ではロボットビジネスの立ち上げを検討する。産業ロボット、協働ロボット、自動搬送ロボットを組み合わせ、モノづくり現場の自動化、省力化を提案。文教ソリューションと並ぶ柱づくりを狙う。システムギアのシステム開発力、システムインテグレーション力も生かす。

 メーカー機能では、20年4月に完全子会社化した水晶発振器用コントローラーICなどのアナログICや不揮発性メモリーEEPROMを得意とする半導体設計ベンチャーのインターチップを活用して5G、IoT市場を開拓していく。99年設立の組み込みモニター、タッチパネルなどの入力表示機器メーカー、ガウディのインターフェース回路技術の応用を図る。