2022.09.20 独トルンプ、半導体向けプラズマ電源が急成長 ブランド一層浸透図る
トルンプのプラズマ電源装置
独トルンプは、半導体分野の製品が急成長しており、日本市場でのブランドイメージの一層の浸透を図っている。
板金加工機や工業用レーザー発振器が主力のトルンプは、全世界での売上高が2021年度に約4500億円。今年度は5000億円を見越す。売り上げの半分を占める主力事業は板金加工向け工作機械で、日本市場は今年度、受注が前年比70%増見通しと好調だ。
パンチ加工とレーザー加工の長所を備えた「パンチ・レーザー複合機」は本国ドイツと並び日本で幅広く支持。複合機で用いる搬送装置のローディング機械は日本向けに開発したオリジナル製品も投入している。
近年、急成長しているのは半導体分野などのエレクトロニクス事業だ。
薄膜成膜プロセスで用いるプラズマ電源のトルンプ・ヒュティンガを19年に吸収合併。以後、売り上げはこれまでに「300~400%の伸び」(高梨社長)を示しているといい、国内の半導体メーカーでも採用が進む。
誘導加熱電源は高い電力効率で、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体や、その生産工程のエピタキシャル成長、PVD(物理的気相成長)などのプロセスで活用されている。
1日付で高梨真二郎氏が日本法人社長に就任した。高梨社長はプラズマ電源の日本での需要の高まりに対し、「迅速な納入に対応するため、ロジスティクス(物流管理)を整備し、サポートのためのサービスセンターを設置していく」と話す。
もう一つの主力事業であるレーザーは自動車や半導体、電機メーカーなどに展開。レーザー発振器はEV(電気自動車)向けに注力し、バッテリーの加工プロセスへの参入を狙う。