2022.09.26 【九州・山口産業特集】九州・山口で活躍する企業・団体の事業戦略 QUEST
馬場 事務局長
高度IT人材育成へ
教材開発やマッチングなどで
QUEST(福岡市早良区、芦原秀一理事長)は高度IT人材の育成に向け、教育を中心に教材開発や販売、会員企業をはじめとする連携やマッチングなど、地場で築いた実績を強みに活動する。
人材育成では、福岡県産業・科学技術振興財団やシステム開発カレッジとの連携を継続し、毎年実績を積んでいる。
IT企業の採用意欲は変わらず旺盛で新人教育が主事業だが、AI、セキュリティーなどこれから必須となる分野だけでなく、組み込みやリナックスなど基本的な分野を希望する企業も少なくない。この分野を教えられる講座は少なく、〝ニッチだが必須〟な研修を提供する。
人材育成が活発になる一方で講師不足が懸念されており、企業で一線を離れるシニア世代を講師としてマッチングし、ニーズとシーズが合致すれば紹介している。「IT人材育成に力を入れる自治体が増えているので、その波にうまく対応できれば」と馬場伸一事務局長は話す。
Raspberry Piを使った画像検出・認識などIoT利用に向けた講座は、長崎県情報産業協会(NISA)との連携分のほか、日本電気協会九州支部と電気技術者向けのAI入門講習会を9月末に予定。
Wi-Fi、ネットワークの遠隔監視など、会員との事業提携も実施、講座の延長線上で開発に近い案件も手掛ける。マッチングは事業として正式に手掛けてはないが、信頼できる組織として相談を受けている。
旧名称の九州組込みソフトウェアコンソーシアムとして活動を始めてから14年の実績があり、「チャネルはあるので、小規模だが業界のハブを務めたい」と考えている。今後も半導体や自動車、組み込み技術など技術トレンドの変化に合わせ、先端と基本技術のバランスを取りながら活動していく。
今秋は、九州地区の運営に携わっている組込みシステム技術協会(JASA)開催の「ETロボコン」の地方大会を10月2日に実施。「第7回 ふくおかDX祭り in SRP」(旧AI&IoT祭り)も、今年はSRPセンタービルで11月11日にリアル開催を予定。運営として参加するとともに、会員企業の展示や宣伝ピッチも計画している。