2022.10.07 OKIエンジニアリングが全固体電池の信頼性評価サービス開始 セラミックコンデンサーとの類似性着目
ロックイン発熱解析装置。断面を少しずつ削って発熱箇所を検出する
次世代の電池として期待される全固体電池。電解質が固体でエネルギー密度が高いのが特長だ。リチウムイオン電池より発火の危険性が低く安全性が高いとされる。
だが、全固体電池自体は燃えないとしても、電池が発熱して周りの材料の発火につながる恐れも。基板実装時や製品組み立て時の負荷による影響を試験することが重要になる。
このほど、OKIエンジニアリングが開始したのは全固体電池の信頼性評価サービス。電池の構造調査から基板実装評価まで行う。
全固体電池は、使用する固体電解質によって2種類あるが、大容量の硫化物系より、スマートフォン向けなど小容量の酸化物系の需要が先行すると見られている。
同社が着目したのはMLCCなどセラミックコンデンサーとの類似性だ。酸化物系全固体電池とセラミックコンデンサーは製造方法が同じで、構造も類似。セラミックコンデンサーと似た故障が想定される。
OKIエンジニアリングは、セラミックコンデンサーの信頼性評価サービスを約30年間提供してきた。今回始めるサービスは、JISの試験規格を参照しながら、セラミックコンデンサー基板実装時と製品組み立て時の評価法を適用して提供する。
基板実装の評価は高温・低温、高湿度の環境下に置いて耐候性を見たり、電極が適切にはんだ付けされているかの試験、基板の曲げやはんだ接合部の劣化評価、落下衝撃試験など項目は多岐にわたる。同社では様々な品質評価のための試験装置をそろえてニーズに応える。
セラミックコンデンサー評価試験の実績を生かし、年間1億円の売り上げを目指す。
(12日付電波新聞/電波デジタルで詳報します)