2020.01.17 【20年 我が社の戦略】きんでん 前田幸一社長

次期中期経営計画策定などについて語る前田社長

さらなる成長に向け積極経営

 きんでんの20年度は、中期4カ年経営計画「KINDEN CHALLENGE2020」の最終年度であり、次期中期経営計画の策定年度となる。共に営業利益率8%にこだわり、エネルギー・環境・情報+内装の総合設備工事業としてさらなる成長に向けて積極経営で臨む。前田幸一社長に戦略を聞いた。

 ―中期4カ年経営計画の進捗状況は。

 前田社長 この3年間、電力、環境、情報通信、内装という設備工事業としての柱を育ててきた。足元は経営資源を投入して進めている。これからもこれらを進めていくことに手応えを感じている。

 きんでん流労働環境改善として現場の機械化、分業化、IT化なども具体的に手応えがある。きんでんの魅力を出すための労働環境改善は、しっかりとした手応えを感じることができている。

 当社の社員だけでなく、重層下請構造において専属協力会社、その下で働く人たち全員の労働環境も上げていかなければならない。仕事が楽しいという会社にしなければならない。全社で力強く進めてくれ、想定以上のスピードでこれていると思う。

 ―組織改革もされましたね。

 前田社長 昨年3月に東関東工事部と北関東工事部を、東関東支社と北関東支社に昇格させ、三十数年ぶりに支社を作った。すぐには大きくならないが、10年、20年で一歩一歩大きくしていく。期待している。情報通信本部関連でも本店部格の情報通信工事センターを新設し、需要に応える体制を整えた。

 様々な改革に取り組んでおり、基盤強化への一歩が進んだと思っている。先行き不透明なところがあるが、産業構造、社会構造が変化している中でお客さまの設備投資に対し、きちんと対応していかなければならない。大事なことは好不況にかかわらず、力をキープできるかだ。

 ―現中計最終年度、次期中計策定年度の20年度の方針は。

 前田社長 中期経営計画4年目として、きちんと納めたいというのが方針の大前提だ。もう一つ大事なことは10年先を目指した次期中期経営計画の策定だ。本店、本社、支店、支社が一丸となって進めてきたことを成長させる年。この3年にまいた種がきちんと成長していく年でありたい。

 中期経営計画目標は乗り越えたいと思っている。中期4カ年経営計画は長いかもしれないが、区切りとしては良いパターンだ。PDCAサイクルとしても間違いなく機能した。

 次期中期経営計画もこの二つを見て、3年計画にするのか、4年計画にするのかを含めて何が良いか検討していかなければならない。関電関連は電力の安定供給にきちんと応え、生産性を一緒に上げていく。

 一般得意先は日本全エリアに力を入れていく。海外はベトナム、ミャンマー、インドで日系だけでなく、ローカル、非日系にも注力する。

 ―売上高、利益どちらに重点を置かれますか。

 前田社長 規模を追わなければ安くならない。低価格で良いものを提供できない。欲張りだが、売上高、利益の両方に重点を置いていく。一定の売上げを一つ一つ伸ばしながら、お客さまに丁寧な価格で良いものを渡して利益を出すのが本来の姿だと思う。

 今、当社は成長過程のため、売上高、利益ともに伸ばしていきたい。本質的な強みはそこを伸ばすことだ。時代に合った伸ばし方が大事だ。現中期経営計画、次期中期経営計画でも営業利益率8%にはこだわっていきたい。エネルギー・環境・情報+内装それぞれの分野をボトムアップさせたい。