2020.01.20 【エバーライト ジャパン】四方秀明社長に聞く

全社挙げ自動車需要に対応 QCDS体制整える

 ―日本での市場が広がっていますね。

 四方社長 日本法人エバーライト ジャパンを設立して、エバーライトの最重要市場として日本のLED市場、顧客から求められるQCDS全てで日本メーカー以上に満足してもらえる体制を整え、用途ごとの要望にしっかり応えてきた。その結果、主力製品のLEDはテレビ用バックライト、LED照明用に加え、昨夏からアミューズメント向けに出荷を開始した。20年からは自動車用パネル、スイッチなどのインテリア向け、ブレーキランプ、ウインカーなどのエクステリア向けに出荷を始める。秋にはカーナビゲーションやメーターなどのインパネ用バックライトも供給する予定だ。

 特に自動車は100年に1度の大変革期に入り、電装化が一気に進み、環境対応車の普及が加速している。それに伴い、自動車1台当たりに使用されるLEDが急増し、当社LEDの採用が広がっている。まさにチェンジはチャンスで全社挙げて自動車の需要に対応している。

 ―21世紀は変革の時代。変革に対応できるかが問われます。

新規市場開拓に力

 四方社長 毎年、ニュービジネスをつかもうと新規市場開拓に取り組み、年間50億円のニュービジネス案件獲得を続けてきた。19年は自動車をはじめ、アミューズメント、ゲーム、サイネージなどで110億円を超えるニュービジネス案件を獲得し20年以降の市場拡大に弾みをつけることができた。これにより現在、LEDバックライト事業売上げの10%の車載用が20年に30%、21年には60%まで増える見通しだ。刻々と変化する市場に対し、事業ポートフォリオを変え、市場の要求に迅速に応えていくことが大事だ。

 ―事業の中身が大きく変わりますね。

 四方社長 当社の主力製品の有色系LED売上高比率を見ても、18年度までは家電向けが70%を占めていたが、19年度は60%を切り、20年度に家電向けと非家電向けが半々になり、21年度には産機向けなどの売上げが加わる非家電向けが70%にまで高まると予想している。

 売上高比率も19年度は世界第6位のシェアを持つLEDのテレビなどのバックライト用、照明用と世界第2位のシェアを誇る赤外線センサーが70%を占め、汎用LED20%、車載用LED6%、携帯電話フラッシュ用LED4%になる見通しだ。20年度は車載用LEDが10%にまで上がってくるなど、今後、車載用LEDと赤外線センサーの売上高比率が上がっていくだろう。

 ―モノづくりも変わりますね。

最先端のモノづくり

 四方社長 QCDS全てにおいて最高を求められる自動車ユーザーに安心して使ってもらえるモノづくりをしようと、モノづくりの改革にも取り組んでいる。本社のある台湾の銅鑼に自動車専用工場(延べ床面積4万7450平方メートルの4階建て)を建設し、17年6月から稼働させている。

 この1年で自動化をさらに進め、エバーライトの自動車用LEDの基幹工場として最先端のモノづくりを行っている。トレーサビリティが難しいLEDで生産品の全数にレーザーマーキングを行いトレーサビリティを可能にして世界で最も厳しいと言われる日本の自動車メーカーさんの工場監査でも評価していただいている。銅鑼工場の生産ノウハウをエバーライトの他工場や他製品に横展開し、エバーライト全体のモノづくり力がアップしている。

 ―楽しみですね。

 四方社長 LEDはCEATEC 2019でローカル デミングLED技術を初展示し、車載インパネ用やノートPC用のバックライトに提案した。側面4面、上面1面の5面発光のLEDバックライトモジュールだ。2016サイズLEDを4.7ミリメートルピッチで64×24個均一に基板実装し、1000ニートの輝度で光らせることができるのはモノづくり力アップによるものだ。

 プリンタの紙検出用やACアダプタ用、電源用に多く使われているフォトカプラがリレーの信号用などの産機で20年から採用が本格化し、22年には日本設計の高速タイプが電源用に使用されることが決まったのもエバーライトのモノづくり力を評価していただいているからだ。台湾本社(苑裡)、銅鑼、中国・蘇州、中山の4工場で月産60億個、RGBのLEDだけでも同13億個生産する供給力、コスト力だけでなく、品質、製品力でもエバーライトのブランド力が上がってきた。ユーザー、市場の期待にしっかり対応し、ブランド力をさらに上げていきたい。


【エバーライト ジャパン】目次

●四方秀明社長に聞く
事業ポートフォリオ
モノづくり
製品
日本発の部品