2023.05.18 IOWN(アイオン)でスマホ充電は年1回も 半導体新会社ラピダスとの連携など NTT副社長

取材に答える川添副社長

 NTTが進める次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」。川添雄彦副社長執行役員に聞いた。

―目指しているものは。

 川添副社長 IOWNで目指すのは、量で考える従来の発想ではなく、ゲームチェンジになるもの。これまで、通信量を増やしてきたが、どこかで限界がくる。また、複数のタイプの通信を繋げるとどこかで滞る。

 しかし、IOWNはそれがない。エンドトゥーエンドで早くなる。たとえば東京と大阪をつないでオーケストラをした実証実験では、数百キロも離れているのに、同じステージ上の隣の楽器程度の遅れしかなかった。

 全て開発してからという考え方もあったが、方針を変更し、開発が進むその都度、実装を図ることにした。

―活用例は。

 川添副社長 例えば、国産として期待されるメディカロイド(神戸市中央区)の遠隔手術のロボットのようなものに活用できる。証券取引所の株の取引への導入も考えられる。金融取引は公平性の担保が重要だからだ。

 普及を図るグローバルフォーラムには、約120社以上が参画。機器の仕様などを話している。それに基づいて製品化が始まっている。デファクトスタンダードだけではなく、(標準化機関が進める)デジュールスタンダードも重要になる。

―スマホの充電が年に1回で済むという見立てもあります。

 川添副社長 間違いなく低消費電力になる。太陽光発電などと組み合わせて使えるようになれば、いまとは違う端末の時代になるかもしれない。

 例えばいまのスマホがCPU中心とすれば、特定の機能だけ動けばいいという考えもありうる。例えば電話、GPSなどだけでいいといったもの、データドリブンなアーキテクチャーの端末を作りたいという動きも出てくるだろう。 実際、そういう話もある。

―出資されている国産半導体の新会社ラピダスは、後工程も考えています。

 川添副社長 光電融合はパッケージの部分。ラピダスが目指す2ナノ、さらにその先という時に、光電融合となると思う。

 デバイスを手掛ける新会社は、ある程度は製造の部分も手掛け、完全なファブレスにはならない。論理設計、さらに製造となるが、完成品のデバイスに仕上げ、実証をしていかないといけない。この先、数が必要となればファブを使ってとなるだろう。コアとなる技術は研究所にあって、それを商用として手掛ける形になる。

 例えて言えば、暖簾分けの飲食店の母体で、レシピの元を作っていくようなものだ。

 (22日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)