2023.07.11 【家電総合特集】冷蔵庫

家族で冷蔵庫を検討するお客が多い

まとめ買いで大容量化

食材の長期保存など機能豊富

 冷蔵庫は内食やまとめ買いの増加により、大容量のものやセカンド冷蔵庫(冷凍庫)が人気を集めた。現在はそれらに加えて、電気代や食材の高騰から節電、節約が重要項目となっている。

 日本電機工業会(JEMA)によると、5月の冷蔵庫国内出荷台数は、前年同月比11.7%減の22万8000台で、401リットル以上の大型タイプも2桁以上減少した。

 コロナ禍の反動減の影響はあるものの、メーカー各社はユーザーが求める機能と販促でニーズに対応する。

 24時間動き続ける冷蔵庫では、省エネ性が注目される。各自治体でも「省エネ家電普及促進事業」として、冷蔵庫を買い替えた際に補助金を支給する取り組みが多く実施されている。

 販売店も、省エネ性が一目で分かるPOPや、補助金制度を伝えるチラシなどを活用して買い替えを促す。

 独自のAI(人工知能)技術で省エネ性を訴求するメーカーもある。IoTを取り入れることでアップデートも可能になった。既存ユーザーも含め、広く省エネ機能の強化をアピールしていく。

 省手間にもなるため、食材をまとめ買いする家庭は多い。その中で、食材を新鮮なまま、おいしく長期保存したいと考えるユーザーが増えた。

 冷風を直接食材に当てないことで食材に適した状態で保存する機能や、光合成の促進とエチレンガスの発生を抑制するLEDを搭載することで新鮮さを保つ機能など、冷蔵には多くの工夫が詰まっている。

 冷凍では、食品を素早く冷凍することによって栄養素とおいしさを守る機能や、霜取り時に発生する熱の侵入を防いで温度を保ち恒温化することで、食材から水分やうまみを逃がさず、長期間保存を可能にした機能などが注目されている。

 夏場は冷蔵庫や冷凍庫を使用することが増え、夏商戦で最も力を入れる商品の一つに位置付けられる冷蔵庫。

 ユーザーが店舗に足を運ぶ前に、オンラインで商品に関する情報を提供して興味を喚起するメーカーは多い。店頭とオンラインを組み合わせることで、より印象付けることができる。SNSは手軽に情報を発信できるツールの一つであり、メーカーの公式アカウントから動画などを投稿するだけでなく、インフルエンサーの投稿も重要な販促の役割を果たしている。

 多くの食材を長く新鮮に保存する機能と省エネ性を両立させた冷蔵庫の進化をユーザーに広く周知し、売り上げにつなげていく。