2023.11.09 ロボット導入、現場の「ジレンマ」とは オムロンが取り組む人とロボットの協調
多彩なロボットを展開する
ロボット導入にも地域による課題がある。オムロンは先日、東京都内で報道陣向けに開いた説明会で、そんな開発背景を解説した。
同社は1次・2次・3次産業を通じて働く人々の幸せを実現しつつ、産業高度化と両立させるというオートメーションを掲げている。背景には製造業を取り巻く環境の変化がある。製造現場のグローバル分散から、米中デカップリングなどを踏まえたブロック経済化、また地産地消型構造への回帰もみられる。変種変量生産や、デジタルマーケティング、ファブレスの浸透などに対応する狙いだ。
同社によると、①「技術進化」 と「人の習熟」の両立(人財の早期戦力化など)②「労働生産性」と「人の尊厳」の両立(ワークライフバランスや働きがい)③「経済合理性」 と「環境配慮」の両立(脱炭素という経営リスク)④「設備生産性」と「柔軟性」の両立(人に頼り過ぎる現場のリスク拡大)―といったジレンマがある。
さらに、高効率ソリューションへのニーズの中、特に日本では既存設備の利用、投資効果の確保への要請が高いという。労働人口減少に伴う生産性向上への要請とともに、ROI重視の意思決定に起因する新規投資抑制、変化対応への要請、土地が狭いことによる新工場の建設の困難さ、簡単インストールへのニーズ、といった課題がある。これらが、生産現場における日本特有のジレンマになっている。
そうした中で同社は幅広いラインアップのFA機器を活用し、モノづくり革新コンセプトを目指す。多岐にわたる製品ポートフォリオで多様なソリューションを提供可能としている。その現場を見る。
(9日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報しています)