2023.11.15 出勤で「疲労感」は8割以上、休養学の第一人者が疲労制御3つのコツ語る パナソニックが都内でセミナー
疲労マネジメントの重要性を語る片野氏(右)
休養には疲労のマネジメントが大切―。新型コロナウイルスの「5類」移行で出社頻度が増えた社会人も少なくない。パナソニックの調査では、出勤が増えて疲労を感じるようになった人は回答者の86%を超えたという。そんな中、休養学の第一人者である日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹氏が、疲労をマネジメントする三つのこつを語ってくれた。
片野氏は、パナソニックが15日に東京都内で開いたセルフケア家電を紹介する説明会に登壇。パナソニックも推進する、たまった疲れを解消してリフレッシュする「リフ活」実践の大切さに触れ、三つの心得を解説した。
一つは「今に没入する」こと。片野氏は「過去は後悔でストレスにつながる。未来は将来不安でこれもストレスになる」とし、「まずは現在に集中すべきだ」と話した。
二つ目は「自己決定権を持つ」こと。休養を取る時は自分で決め、他人が決めたものには従わない。「自分自身の意思で取るのが休養にとっては大切」と強調した。
三つ目は「本能に従う」こと。犬が散歩中に動かなくなる例を引き合いに出し、「人は脳が発達したので疲労をマスキングし活動を継続できるが、継続すると破綻することもある」と指摘。「本能に従って休んで欲しい」と話した。
普段は自宅でマッサージチェアを使ってリフレッシュしているという片野氏は、休養には没入感が何より大事と説く。「プライベートな空間、時間をつくっていかに没入できるかがポイント」とするが、一般家庭でそうした住環境を整えるのは簡単ではない可能性もある。
その点に関し片野氏は「五感が大切」と述べ、アロマや音楽、光などが休養にとっては重要と説明。家電を使った身近なところでは、アロマディフューザーやブルートゥーススピーカー、暖色系のあかりで照らすLED照明などの導入が手軽に実践しやすいとした。
片野氏は「土日を週末ではなく、週初めと考え、『充電日』と捉えることが大事」と指摘。「逆転の発想が休養には重要だ」と力を込めた。
パナソニックもマッサージチェアをはじめ、スキンケア家電や高周波治療器など休養に役立つ製品をそろえ、コロナ後の疲労マネジメントへの貢献を提案している。