2023.12.25 地域家電店の新年の取り組み テレビ買い替え、顧客訪問で需要掘り起こし

大型テレビを店頭で訴求しているパナプラザカンタケ

 新型コロナウイルス感染症の分類が5類に移行後、電器店の合展・個展では実演や試食などコロナ禍前の催事が復活している。巣ごもり需要や購入補助金で家電需要を先食いしたとの見方もある中、エネルギー価格の高騰が省エネ家電への買い替えを促しつつも、物価上昇で購入を控える動きも。地域家電店に来年の見通しや期待を聞いた。

 パナソニック系のセリザワ電気(東京都板橋区)は2024年、商品を提案しながらの巡回に力を入れる。

 コロナ禍が明け、顧客宅への訪問もしやすくなった。訪問時にはマスクを着用しているが「嫌がられることはない」と話す。

 9月には顧客とのバスツアーを再開するなどコロナ禍前の状況に戻りつつある。来年も個展やバスツアーを通し、顧客との接点を持ちつつ、訪問巡回で商品の販売につなげたい考えだ。

 来年2月には洗濯機のキャンペーンを予定。「(キャンペーン時にはお客さまの)家に入ることもあるので、困り事がないか、話がしやすい」と話し、次の仕事につなげることができると期待している。

 パナソニック系のパナプラザカンタケ(北九州市八幡西区)ではテレビの買い替えの波が来るとみている。

 地上波放送がアナログからデジタルへ切り替わったのが2011年。10年余りが経つ。23年上期から有機ELテレビが売れ始めたこともあり、77型有機ELテレビをグループ各店で目立つところに展示している。

 若い世代の生活スタイルが変わり「リビングには壁掛けの大型テレビとソファーだけ。若い人は大きなテレビで配信を見ようとしている」と店舗の展示で大型テレビを訴求していく。

 パナソニック系の北田電器(滋賀県守山市)は「地域店はなくてはならない大切な存在。だからこそ、どう存続させるかが重要だ」(同店会長)と話す。

 家電販売以外にリフォームなど地域店の業務は多様化している。一方で、家電の購入先もさまざまあり、地域店として存在をアピールする必要性がある。

 同店会長は「各店舗だけでなく、近隣店舗ともコミュニケーションを取りながら、業界全体を盛り上げてほしい」と話す。中でも、次世代への期待が大きく、「若い世代が業界を引っ張ってほしい。商組の青年部には、どんどん盛り上げてもらいたい」と語った。

 (26日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)