2024.01.12 【放送/機器総合特集】24年 年頭所感 総務省情報流通行政局地上放送課 佐伯宜昭課長

佐伯 課長

「質の担保された情報」発信を期待
新免許など制度整備

 昨年は、5年に1度の地上基幹放送局の一斉再免許という大きな節目の年でした。近年の放送を取り巻く環境は、若者を中心としたテレビ離れや、動画配信サービスの進展などにより大きく変化していると認識しています。

 こうした中で、「質の担保された情報」を発信する放送事業者に対する期待はますます高まっており、新たな免許の下、その期待に応えていただけるよう、昨年10月に公表された「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の取りまとめも踏まえつつ、総務省としてさまざまな取り組みを進めてまいります。放送事業者の皆さまにおかれましては、新たな時代の放送事業の発展に向けて、未来をしっかりと見据えた着実な歩みを進めていただくことを期待しております。

 AMラジオ放送については、放送設備の老朽化に伴う更新等に関する課題を抱えています。この課題に対応するため、民間AMラジオ放送事業者の皆さまの判断によりFM放送へ転換する場合の社会的影響、特に聴取者への影響を検証できるよう、一定期間AM局の運用休止を可能とする特例措置を再免許の際に設けました。

 本年2月以降、特例措置の適用を受けた一部のAM局において順次休止が開始されますので、その実施状況などを踏まえ、必要な制度整備について検討してまいります。

 また、放送事業を行うための固定費用の負担軽減についても喫緊の課題であることを踏まえ、経営の選択肢の一つとして中継局の共同利用が可能となる「放送法及び電波法の一部を改正する法律(令和5年法律第40号)」が先の通常国会で成立しました。

 この中継局の共同利用など、放送ネットワークの効率化に向けた検討を行うため、昨年12月にNHK、民間テレビ放送事業者、総務省により「中継局共同利用推進全国協議会」が発足したところであり、本年は検討を加速させてまいります。

 災害時において、避難情報や生活支援情報などのきめ細やかな情報を、迅速かつ正確に発信するテレビやラジオは、国民の安心・安全を支える重要な社会基盤となっています。臨時かつ一時的に開設される臨時災害放送局用の送信設備については、激甚化・頻発化する大規模災害発生時に備えて、昨年3月に、各総合通信局所(11カ所)に2台目の追加配備を行いました。引き続き、放送ネットワークの強靱(きょうじん)化を支援してまいります。

 字幕番組、解説番組および手話番組といった視聴覚障害者等向け放送については、平成30年に策定された「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」に基づき、その普及に向けて放送事業者の皆さまには多大な御尽力をいただいております。

 昨年10月に本指針の改定を行ったところであり、字幕番組などの制作費や設備整備費の助成についても引き続き行ってまいりますので、情報アクセシビリティーの向上に向け積極的にご活用いただけますと幸いです。