2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 24年の経営戦略 ミカサ商事 中西日出喜社長

中西 社長

創業100周年を見据え変革の年に

 ミカサ商事は、2023年5月に大阪・淀屋橋に本社を移転した。9月には創業75周年を迎え、24年は創業100周年を見据えた変革の年にする。

 中西日出喜社長は「先行きが不確実で不透明な時代にある中、常に挑戦する姿勢を保たなければならない。1年から3年の短期サイクルで計画と実行を繰り返し、市場の変化や顧客ニーズの変化に対応して成長を加速させる。30年度の長期目標である売上高1000億円、営業利益50億円を前倒しで実現するための本気度が試される年になる」と語る。

 23年度から事業をエレクトロニクス商社、ハードとソフトを融合した高付加価値のソリューション、インターチップとガウディ2社を核とするメーカーの三つの機能に再編。セグメント管理による経営を行っている。足元の業績は安定し、堅調な着地となる見通し。中でもソリューション事業は、セキュリティーや、文教・公官庁向けICT、ロボティクスの主要分野で事業を拡大。好調に推移し、グループ全体をけん引する。

 23年度は、ミカサ商事グループ各社でソリューション事業関連のエンジニアを大幅に増員。ミカサ商事横浜オフィスを新横浜駅前に移転拡張し、エンジニアおよび営業を集結。ソリューション事業分野間でのシナジー効果を高めている。

 また、グループ会社エムエスイの大阪開発センターを大阪・阿波座に開設。増員したエンジニアを軸にセキュリティー関連機器の開発・販売体制を強化した。大手セキュリティー会社との直接取引も始め、開発から保守まで一連のサービスを提供している。

 中西社長は「ソリューション事業を中核事業に成長させるには、ソリューション分野の新規開発や人的リソースの確保など、まだ多くの課題がある。事業を通じて得た成功や失敗の体験を当社グループの貴重な資産として活用することで、商社事業、メーカー事業の成長につなげることができる。商社、メーカーの両事業で培ったノウハウを融合させることで新たなソリューションビジネスの提供も可能となる」と話す。