2024.01.19 【LED照明特集】トップが語る24年事業戦略 東芝ライテック 西原隆史取締役社長
西原 社長
〝東芝らしい〟新製品開発に注力
2023年度は、半導体不足が解消されたことで計画通りに生産でき、販売にもつなげられた。半導体不足が深刻だった際に生産性を改善したり、内製化を一部で進めたりしてきたことも実を結んでいる。照明器具の販売も昨年秋以降は堅調に伸びている。
当社はカメラ付きLED照明「ViewLED(ビューレッド)」で、設置した工場内の安全性の確保など、照らすだけにとどまらない付加価値の提案に注力している。お客さまの関心は高く、引き合いは強い半面、費用対効果といった側面がネックとなり、大規模な導入には至っていない。映像の記録だけでなく、安全性や生産性の向上などにつなげるサービスも提供しているが、24年度には、お客さまにもっと必要とされる製品設計を盛り込んでいきたいと思っている。
これまで当社は、生産性や業務の改善などを重視してきたことで、新製品を十分に開発しきれていなかったと思っている。ただ、昨年12月には無線照明制御システム「LinkLED Air(リンクレッド エアー)」を発売することができた。機器間で電波が途切れにくい2.4ギガヘルツ帯のメッシュ通信方式を採用しており、配線も不要。対応する照明器具のラインアップも今後、増やしていく。
照明制御には、国際標準の通信規格「DALI」もある。当社も対応器具を製品化しており、市場としてのポテンシャルはDALIもある。LinkLED Airのような独自の無線照明制御システムが良いか、DALIのような国際標準の通信規格に即したシステムが良いか、市場の動向やニーズを見ながら今後の対応を判断していきたい。
照明制御は空調など他機器との連携も重要。当社も東芝グループと連携し、ソリューションとして提供できるよう取り組みを進めている。
今年の日本経済は比較的堅調だろう。この流れに乗って当社も照明事業を伸ばしていく。同時に生産性や業務効率の改善にも継続して取り組んでいく。
内部の改善には一定のめどがついたため、新製品の開発に今年はリソースをシフトしたいと思っている。
かつて日本初や世界初といった照明を生み出してきた〝東芝らしい〟照明を開発したいと思っている。新たな取り組みにチャレンジしていく一年にしたい。