2024.03.05 人手不足問題、「ロボフレ」で解決へ ビルの警備、清掃ロボがデモ走行

制御システムにアクセスしてセキュリティードアを開けるサービスロボ=5日、東京都港区のNECネッツエスアイ本社ビル

狭いドアでは後ろのロボットが手前のロボットの順番待ちをしてから通過する様子も披露された狭いドアでは後ろのロボットが手前のロボットの順番待ちをしてから通過する様子も披露された

 2024年問題をはじめ現場の人手不足が深刻化する中、ロボットの普及に向けた官民連携の取り組み成果を報告する「ロボフレ事業報告会」が5日、東京都港区で開かれ、オフィスビルや商業施設などの警備や清掃などのサービスロボットのデモ走行が行われた。

 ロボフレとは、ロボットが導入しやすい「ロボットフレンドリー」な環境を目指し、ロボット技術の向上だけに頼らず利用者側の業務プロセスや施設環境を見直す取り組み。経済産業省が中心となって企業の研究開発を支援している。

 2022年8月には官民連携の一般社団法人「ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)」を立ち上げ、ロボットの稼働率向上に向け設備との連携規格の策定などを進めている。

 この日の事業報告会は経産省とRFAが主催し、メーカーの異なる複数種・複数台のサービスロボットを稼働させる実証実験が行われているNECネッツエスアイ本社ビルで実施された。

 ロボットの制御システムはメーカーや機種によって異なるため、複数台のサービスロボットを「群」で管理するには、各制御システムを連携させる必要がある。さらに、エレベーターやセキュリティゲートといった設備との連動に加え、狭路や袋小路など建造物の構造に合わせた調整も求められることがシステム連携の障壁となっていた。

 実証実験では、建物設備の使用状況や通路の通行状況などを「リソース管理サーバー」に集約し、制御システムとの接続に必要な仕様の標準規格を定めることで、異なる制御システム間の連携による群管理ができるようにした。

 デモ走行では、サービスロボットが自らエレベーターの呼び出し乗降の順番待ちをする様子や、サービスロボット同士の狭路での待ち合わせやすれ違いを実演。システムにアクセスしてセキュリティードアを自ら開けて通過する動きも披露した。

 経済産業省ロボット政策室の石曽根智昭室長は「日本中にロボットを普及させ、人手不足、問題が解消する社会を国民にいち早く届けていきたい」と話した。

 (7日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)