フィルムカメラが全盛だった時代。ある皇族に関わる取材で一眼レフカメラとメモを手にひと言も聞き漏らすまいと並ぶ記者の間に、あか抜けた身なりの雑誌記者がいた▼いよいよお出ましになり、盛んにシャッターが切られる中、その雑誌記者はおもむろにM型ライカを取り出してパチリと一こま撮ったきり澄まし顔でいた。余裕があっていいなとうらやましく思ったものだ▼最近の会見では簡便なカメラで撮る記者が多い。スーツケースに機材を詰めたカメラマンもいるが、私のように鉄板のステ...　　(つづく)