2024.06.28 万博協会が会見、「リング」8月末までに完成

会見する十倉会長(左)と石毛事務総長

 日本国際博覧会協会(万博協会)は27日、大阪市内での理事会終了後に記者会見を開き、万博協会の十倉雅和会長と石毛博行事務総長が出席した。

 冒頭、十倉会長が理事会での検討事項の内容を説明。海外パビリオンの建設状況として、日本側が建設し装飾・空間は参加国が担当する「タイプB」と、建物の共同利用の「タイプC」は7月までにほぼ完成する見通しだと語り、長さ約2キロメートル、最大の高さ約20メートルの「大屋根」(リング)は8月末までにつながるとした。参加国が自前で建設する「タイプA」は51カ国が建設予定で、うち32カ国が着工済みという。

 メタンガスの爆発については再発防止に尽力、丁寧に説明していくと述べた。

 来年4月の開幕に向け、体制強化策として十倉会長は、新たに関西経済同友会の宮部義幸代表幹事を副会長・理事に選任したと説明。また石毛事務総長は会見で、パビリオンの建設状況について、協会が代わりに簡易のパビリオンを建設して引き渡す「タイプX」を「9棟建設中」とした。 空きスペースの活用法として、休憩所を設置したり人工芝を敷いたりなどの対策が求められ、この調整費が新たに76億円発生するとの見通しを示した。石毛事務総長は予備費の130億円から充当する可能性を示唆した。

 入場チケットは、コンビニでの販売を10月から開始。一方で高齢者にとって電子チケットの購入方法が難しいとの指摘が出ていることから、紙チケット(引換券)の販売も検討中という。

 石毛事務総長は、閉幕後のリングに使用された建材の利活用について「原則、無償譲渡だが、開幕後ブランド価値は出てくる可能性がある」として有償にする可能性も示唆。

 ペット同伴の入場の可否については理事会で結論が出ず持ち越した。石毛事務総長は「今回の万博の理念を考えると拙速に可否を決めなくても」という意見や、「万博会場がペットのためになるのか」という意見も理事から出ているとし、「採決は次回に持ち越した」と説明した。