2024.08.23 【ハムフェア2024特集】アマチュア無線制度動向と機器動向

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アマチュア無線制度動向

 アマチュア無線局は、1995年の136万局超をピークに新しい無線メディアの普及などで漸減し、2023年3月末でおよそ35万8000局となった。現在のアマ無線愛好者の中心を形成している層の高齢化進行で、今後、急激な局数減少が予想される。

 これに対応するために、日本アマチュア無線連盟(JARL)は、関連3団体、日本アマチュア無線振興協会(JARD)、日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)そして、CQ出版の各団体のトップが参加する「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」を23年12月に発足。おおむね月1回、これを開催している。

 特に若年層対策には会議参加者の既成概念にとらわれないよう、24年2月末から3月初めの3日間、6時間以上の時間をかけて、教員、高校・大学生、20歳代社会人、中堅社会人、十数人への聞き取りを行った。それにより、若年層の意識・考え、アマチュア無線(アマ無線)への要望を把握に努めた。これらの結果は今年6月に第一次報告書としてまとめられ、公開された(表)。

 引き続き、これらの議論に基づき、ワイヤレス人材育成母体となるアマ無線の継続的発展、認知度向上「趣味の王様」としての誇りある社会的評価の再興を目指していく。

アマチュア無線機器の動向

 昨年の新型コロナ感染症の5類移行後、各無線機器メーカーは、次々新製品や生産が滞っていた製品の発売・供給を始めた。

 製品の傾向は引き続き、SDR(Software Defined Radio)化やデジタルモードに対応し、スペアナ機能対応など使い勝手を向上させたものだ。

 また、サイクル25が本格化し、ハイバンドにおける電波伝搬状況が向上。FT8などのDXに強いモードの普及と相まってコンパクトなアンテナやオートアンテナチューナー対応のマルチバンド型などが発売された。

 デジタルモードでは、従来のD-STARやC4FMも人気だが、DMRというTDMA(時分割)の国際規格が普及しつつある。アナログでは12.5キロヘルツある占有帯域を時分割して使うことで、あたかも6.25キロヘルツ帯域幅で2ch同時運用しているのと同等の利用が可能だ。この仕組みを利用したSFR(Simplex Frequency Repeater)があり、単一周波数でレピーター動作ができる。このSFR式「DMRデジピーター」の開設が相次いでいる。

 今後、DMRは注目のデジタルモードだ。