2024.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】各社の事業戦略 Dynabook 覚道清文社長兼CEO
エッジ側でもAI活用
AI PC中心に1月まで35周年施策
2024年度の国内ICT市場は好調に推移しており、中でもモバイルPC需要が活発だ。13型、14型を中心にモバイルPCは前年比30%近い伸びを見せている。ウィンドウズ10のサポート終了に伴い、ウィンドウズ11への買い替えが本格化しており、今年の後半からは、これまでの大企業に加え、中堅・中小企業の買い替え需要が期待される。また、生成AI(人工知能)はビジネスの中で重要なアプリケーションになる。「AI PC」の本格化、さらにGIGAスクールも次の需要サイクルに入ってくる。当社にとっては好材料がそろっている。
こうした中、当社の業績はモバイルセグメントが大きく伸長している。24年度第1四半期(4~6月)は、法人向けノートPCで7・四半期ぶりに1位となった。また、代表的なコンピューター専門誌で顧客満足度1位となるなど、dynabookのプレゼンスもアップしている。
AIを活用したサービスが増えてくるが、今後はクラウド側だけでなく、エッジ側でもAIを活用し処理することが求められてくる。当社は、AI PCと位置付け、その先駆となる商品として、AI専用エンジンを内蔵した高性能モバイルノートPC「dynabook R9」を商品化した。4月の発売以来、好評だ。
さらに今月28日、法人向けdynabook新商品として、ビジネスプレミアムモバイルノートPC「dynabook RJ74/MY」、プレミアムモバイルノートPC「同G83/MY」を発表し、ラインアップを強化した。
今年は、世界初のノートPC「dynabook」を発売して35周年を迎えた。先頃、東京・秋葉原で記念イベント「ダイナブック大作戦 in 秋葉原」を開催し、「dynabook×AI」をテーマに生成AIを体感できるさまざまな催しを行った。会期2日間で延べ1万6000人が来場するなど大変盛り上がった。特に若年層を中心とした新規ユーザーにdynabookブランドを訴求できたと思う。
24年度下期も、好調な市場を背景に攻勢をかける。AI PCを中心にした商品戦略とともに、25年1月までさまざまな35周年施策を展開していく計画だ。また、GIGAスクール構想第2期に向け、文教市場が活況を迎える。当社は、これまでのWindows OSに加え、Chrome OS「Dynabook Chromebook C70」を商品化し攻勢をかける。
LCM運用サービス、AR用XRグラスを使ったXRソリューションなどにも注力する。「コンピューティングとサービスを通じて世界を変える」という企業ビジョンを実現していく。