2024.09.18 【自動化・省人化に寄与する産業機器/部品特集】THK ピッキングロボットハンドシステム「PRS」、現場の困り事解消

PRSでピッキング作業の自動化をサポート

 THKは、LMガイドやボールねじ、直動・回転部品などで培った技術とノウハウを基にして開発した、ロボットやIoTサービスで自動化・省人化を実現するサービスを展開している。

 ピッキングロボットハンドシステム「PRS」は、人間の代わりにロボットがピッキング作業を行い、深刻な人手不足に悩まされている物流センターや製造業の現場での困り事を解消するロボットハンドシステム。12軸の関節を持ち、箱形状や円筒形状、袋状や空き箱など、さまざまな形状や材質に対応する。指先の吸着パッドやカメラを組み合わせることでピッキング作業の効率化を促進する。

 搬送ロボット「SIGNAS」は、ルートテープが不要で、内蔵カメラで目印となるサインポストを認識し、独自の制御システムで安定走行を行う。工場の建屋間の搬送やPRSなどと連動させて自動で積載して移動することもできる。経路や作業レイアウトの変更があっても、目印となるサインポストの移動のみですむので、工事や地図の再設定も不要。コストやメンテナンスの削減にもつながる。

 既存機からけん引重量を2倍に高めた1トンまでけん引することができるタイプもラインアップに追加。高い技術力やこれまでの実績が認められ、2024年3月に「2023年度日本機械学会優秀製品賞」、9月には「第29回実用化技術賞」を受賞した。

 OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge」は、製造現場で人に頼っていた部品の状態の把握や工具の欠損や摩耗の検知をAI(人工知能)で行うソリューション。

 製造現場のLMガイドやボールねじなどの直動部品、モーターやポンプなどの回転部品といった機械要素部品の状態を数値化し、解析することで予兆検知ができる「部品予兆検知AIソリューション」、ドリルやチップなどの切削工具の欠損をAIが検知し不良ロスを削減する「工具監視AIソリューション」などを展開する。