2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】東亜無線ベトナム 東亜無線電機 11月から生産拠点として再構築
岡田 社長
東亜無線電機のベトナム拠点「TOA MUSEN VIETNAM(東亜無線ベトナム)」では、11月から生産拠点としての体制を再構築強化する。既に、ものづくりに携わるスタッフも追加雇用し、研修に取り組んでいる。商社機能だけでなく、EMS機能も備え、ベトナムやその周辺国も含めたビジネスを拡大させる。
東亜無線ベトナムは2016年にホーチミンで設立。日系企業の産業機器向けを中心に、電子部品から基板、ハーネスユニット、金属加工品などを提供してきた。昨年にはものづくりのライセンスを取得。スタッフの人数は体制強化に伴い現在23人となった。生産設備の導入からスタッフ強化など、生産体制への準備を進めている。
生産しようとしている製品は主に加工部品。スポット溶接など準備工程を拠点内で行う予定。現在スタッフは取引先の工場で研修を4月から受けており、スキルを高めている。「11月の立ち上がりの時には、スムーズに作業できるよう取り組む」と東亜無線ベトナムの岡田康治社長。
昨年の1~12月の実績は前年を上回る形で推移。電子部品、半導体など全般的にものが動いていたものの、下期から取引先の在庫調整の影響を受けた。今年1~6月の実績は、横ばいで推移している。足もとの状況も横ばい傾向だが、日系企業関連の新たな案件が入っており、明るさが見え始めている。
また、中国からベトナムへの生産移管の動きに伴い、引き合いが増えている状況だ。
東亜無線グループは、ベトナムの日本語教育送り出し機関「Esuhai(エスハイ)グループ」と連携し、高度人材採用を強化している。現地でも日本で技能実習を経験し帰国した2人採用して人材強化に努めた。岡田社長は「今後、ものづくりのスタッフ体制は、協力企業も含め50人弱に増やしたい。また、ものづくりができる拠点の利点を生かし、関税を無税にする申請を行い、利益面を高める。生産体制を確立した後には、営業面を強化。現地ローカル企業も開拓しつつ、日系企業、周辺国への提案も行う。ベトナムで生産できる強みを生かし、東亜無線グループによい影響を与える活動にまい進したい」と今後の抱負を語った。