2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】スミダ・エレクトロニック・ベトナム スミダコーポレーション 新工場建設に着手、車載製品の生産を本格化へ
SEV新工場のイメージ
スミダコーポレーションは、ASEAN生産体制拡充を加速させている。ベトナムでは「スミダ・エレクトロニック・ベトナム(SEV)」の新工場建設に着工。タイでは医療関連専用の新工場を建設し、今年8月にオペレーションを開始した。
同社は、ASEANではタイおよびベトナム(ハイフォン、クアンガイ)に工場を展開。チャイナリスクを踏まえ、顧客からのASEANでのものづくり体制構築要求に応えるための体制づくりに努めている。
同社の畑山佳之ヴァイスプレジデント(アジア製造戦略)は、ASEANでの製造方針について「市場が求めるものづくり体制構築を進めている。現地の人々を育成し、従業員が豊かになることを戦略の基本としている」と話す。
ハイフォン工場は、レンタル工場で民生向けを中心としたパワーインダクターやトランスを生産してきたが、新たに自社工場をハイズオン省に建設することを決定し、建設に着手した。新工場では民生用に加えて車載製品の生産も本格化させる計画で、「顧客の地産地消要求に応える」(畑山VP)。新工場は2025年3月の操業開始を予定。工場規模は建屋面積約1万2000平方メートル、生産エリア約5800平方メートルと既存レンタル工場から大きく拡大する。
クアンガイ工場は、車載向けのパワーインダクターやトランスの生産のほか、近年はEV(電気自動車)用モジュール生産で実績を上げている。23年には同工場の第3工場が完成し、一部で稼働を開始した。
タイ工場は、これまで車載製品を中心に生産を行ってきたが、メディカル事業強化のため、新たに医療関連製品の専用工場「タイ第2工場」を建設、今年8月に操業開始した。各種医療関連規格を取得済み。
畑山VPは「18年頃はグループのアジア生産に占めるASEAN比率は1割ほどだったが、現在は約3割にポテンシャルが上がっている。25年以降、ASEAN工場をフルキャパシティーにしていく」と話す。
ASEANでは設備の現地調達はほぼ地産地消体制を構築済み。材料の現地調達化も順次進める。