2025.01.09 【電子部品総合特集】部品メーカートップに聞く 2025年の経営戦略 メイコー 名屋佑一郎社長

名屋 社長

需要増に備え、生産体制を増強

 2024年度(25年3月期)は、車載向け基板はやや売上げが低調だが、車載以外の分野はほぼ予定通り推移している。通期業績も売上げ、利益ともに予定通り進捗(しんちょく)できると思う。

 25年の市況を予測するのは、車載もスマートフォンも現状では困難だが、車載市場が下げ止まり、それ以外の各アプリケーションがそこそこの伸びとなることを期待している。

 現在推進中の中期経営計画では、26年度の経営目標に売上高2700億円、営業利益300億円、営業利益率11%などを掲げている。25年度も中計の目標達成に向けた取り組みを推進する。

 電子機器事業は今後も一定の成長を見込む。22年に旧NECエンベデッドプロダクツ(現メイコーエレクディベロップ、メイコーエレクマニュファクチャー)を買収し、回路設計からのトータルソリューションが提供可能になったが、軌道に乗ってきた。開発から量産までをトータルで請け負う仕事も増加しており、予定通り進捗している。今後も受託開発と基板事業のコラボレーションによる事業拡大を図る。

 電子機器事業の中期売り上げ計画は、25年度は380億円、26年度は400億円を掲げており、今後もこの目標に向けて取り組む。

 国内外での生産体制増強も進めている。ASEANへのサプライチェーンを期待する顧客が増加しているため、ベトナムの生産体制増強を進めており、ベトナム工場(ハノイ市)は、現在、第4工場を建設中で、25年度からの順次稼働を予定。ベトナムのホアビン市でも新工場のホアビン工場を建設中で、25年度中の完成、26年度の稼働を予定する。

 国内では、23年秋に新工場の天童工場(山形県天童市)が完成し、生産を立ち上げている。既存の国内工場の集約と天童工場への生産移管も進め、効率を上げていく。

 当社は将来の顧客の需要増大に迅速に対応していくため、常に余裕をもって生産キャパシティーを確保することを方針としており、将来に備えていく。

 25年度の設備投資は、300億円を予定している。研究開発では、基板の細線パターン化や高多層化に向けた投資にこれまで以上に積極的に取り組む。