2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 コアスタッフ 戸澤正紀社長
戸澤 社長
「推しメーカー」の取り扱い増やす
コアスタッフは、Web販売と従来型営業を合わせたハイブリッド営業が強み。2025年は日本ではまだ知名度が低いが非常に有力な「推しメーカー」の取り扱いを増やし、バリュー・エンジニアリング(VE)提案を多く行って顧客の競争力向上に貢献する。
戸澤正紀社長は前年を「日本の産業機械市場で顧客の過剰在庫が非常に多く積まれた」と振り返り、25年は「年初から解消が進み、緩やかに回復する」と見通した。
推しメーカーは顧客がブロック図中で検討する部品と機能、性能が同等以上で低コストかつ量産対応しやすい別メーカーを提案するもの。ハイブリッド営業を生かし展示会でも浸透を図る。欧州ではドイツ法人を通じ仕入れを広げる。
ドイツには現地顧客向け倉庫も持ち、前年は正規在庫を日系大手に販売。今後も即納体制を強化する。同じく倉庫を持つタイは余剰在庫の受託販売で成果を出す。
日本は前年に長野県佐久市で開所した新物流センター「Zero Hub(ゼロハブ)」で顧客の購買に加え管理、物流も受託する「PLOS」が訴求力を発揮。複数の案件が動き、収益に寄与した。余剰在庫受け入れは活況。25年以降に出荷が進むとみる。戸澤社長はまた、同施設の自動倉庫を「大きな生産性向上」とし、必要部品を集め取り出すピッキングの改善を図れたという。
同じく前年に始めた、顧客が引き取り義務なしで一定期間在庫を確保できる「WEB-MPI」も「われわれしか提供していない価値」(戸澤社長)。試作、量産バッファー在庫、入札案件向けなどで既に数十社が使うが「もっと多く利用を」と意気込む。
人材獲得はエレクトロニクス商社の知名度向上を進め、育成は業務への興味の前提となる基礎知識の教授に注力する。
戸澤社長は25年の抱負について、自社サービスを最大限訴求するため、仕入れ先や顧客の意向を整理し、一本につなげるよう「社内の収益構造、組織、マインドのベクトルをそろえる」と打ち出した。