2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 RYODEN 富澤克行社長
富澤 社長
RYODENは商社の枠を超えた「事業創出会社」を目標に掲げ、顧客視点で価値創造に取り組む。富澤克行社長は、2025年度からの新中期経営計画で「規模ではなく利益を目指す」との方針を示す。
半導体市場は産業機器と民生向けで在庫消化が進み、24年に比べて改善するとみる。中国市場向け需要回復状況や米国トランプ新政権の動向に目を配る。
エレクトロニクス事業では販売を終了したルネサスエレクトロニクス製品に代わる打ち手が25年度から奏功する。パワー半導体の熱解析技術の外部提供やセンシング商材の取り扱い拡大、アナログ製品への注力などの成果を刈り取っていく。
工場自動化(FA)システムは日本での在庫調整に対し、米中国では好調。米国は人手不足対策から需要が高まる見通しだ。
冷熱/ビルシステムは物流24年問題で伸びた低温・冷凍倉庫やビル再開発需要が続き、「見通しは明るい」(富澤社長)。
新事業X-Tech(クロステック)は、情報技術などを生かした野菜の流通販売、スマートアグリが24年8月に黒字化した。富澤社長は「業界再編の勝ち組になった」と語る。光合成エンジニアリングも事業化に踏み出す。好調な害獣・害虫監視製品「Pescle(ペスクル)」は25年度に海外展開も視野に入れている。
独自ブランド「RYODEN Tii!(リョーデンティー)」は25年度に包含するソリューションを拡大。社内公募の社長直轄プロジェクトが、同ブランドの電力統合監視制御システム「Remces(レムセス)」の複数の中堅食品メーカーへの新規納入に貢献していることから、25年度も強化して将来は事業部化を目指す。
海外事業では中国企業のASEAN進出を支援する「アウトツーアウト」施策を強化。欧州向け輸出で需要を見込む。
人材面では、人工知能(AI)データ解析と関連人材育成を手掛ける新潟人工知能研究所(NAIL、新潟市中央区)と連携。また、信州大学との生物模倣技術開発に付随し、長野県上田市でのデータサイエンティスト育成を支援する。