2025.03.13 大阪・関西万博開幕まで1カ月、コンテンツ発表相次ぐ

工事業者からの引き渡しが完了した大屋根リング

点灯式を実施したパナソニックグループパビリオン「ノモの国」点灯式を実施したパナソニックグループパビリオン「ノモの国」

日立とKDDIは体験型の展示を行う日立とKDDIは体験型の展示を行う

エネルギーに関するゲームなどを体験できる電力館エネルギーに関するゲームなどを体験できる電力館

パーソナリティーを務める伊原六花さん(撮影=藤本和典)パーソナリティーを務める伊原六花さん(撮影=藤本和典)

 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕が1カ月後に迫り、各パビリオンでコンテンツ発表が相次いでいる。エレクトロニクス関連企業による技術やソリューションの展示も多く、パビリオンでの体験を通して未来社会を感じられるものとなっている。

 大阪・関西万博は人工島「夢洲」(大阪市此花区)で4月13日~10月13日に開催。自治体や民間企業など国内事業者によるパビリオン27と海外パビリオン52が設置される。

 2月28日に竣工(しゅんこう)した、会場のシンボルとなる「大屋根リング」は工事業者から引き渡された。国産木材7割(スギ、ヒノキ)、外国産木材3割(オウシュウアカマツ)を使用したリングは全周が約2025メートル、高さが約12メートル(外側は約20メートル)。建築面積が6万1035.55平方メートルと世界最大の木造建築物で、4日にギネス世界記録の認定を受けた。会期中は、会場内にギネス世界記録を記念したプレートを設置する予定だ。

 博覧会協会による未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」では、Society5.0が実現した社会を体験できる。協会による共通展示と協賛12者による展示で構成する。

 日立製作所とKDDIは共同で、未来は自分たちで変えられることを感じられる体験型の展示を展開。参加者の選択で未来の都市がどう変化するかを体験できる「Mirai Theater」と社会課題の解決をテーマにしたシューティングゲーム「Mirai Arcade」を用意する。

民間企業パビリオンが続々完成

 民間企業のパビリオンでも展示内容の発表が続いている。パナソニックグループのパビリオン「ノモの国」では1日に照明とミストで幻想的な演出を実現するライトアップの点灯式を実施した。開幕への準備が着々と進む。

 当日は、パビリオン設計を担当した永山祐子氏監修のライトアップと、学生や子どもたちと共創した照明演出プログラムを披露した。パナソニックホールディングスの小川理子関西渉外・万博推進担当参与は、開幕に向け「(準備は)思った以上に進んでいる。開幕に合わせしっかり仕上げたい」と語った。

 ライトアップ演出にはゼロカーボン由来の水素で発電した電力を使っている。

 三菱グループ30社による三菱未来館は、「未知なる深海から遥(はる)かなる宇宙へ、いのちを巡る壮大な旅」をテーマに映像コンテンツを提供する。命の始まりとされる海から火星まで、時間と空間を移動する旅だ。

 縦9×横11メートルの大型湾曲スクリーンは三菱電機グループが提供。座る位置によって音響や見え方が変わるようになっている。

 映像監督の加藤友之氏は「三菱未来館だけの特殊形状。どの席からでも楽しい体験ができるようになっているため、何度も足を運んでいただけるとうれしい」と呼び掛ける。

 電気事業連合会のパビリオン「電力館 可能性のタマゴたち」は、卵型のデバイスを持ち、ゲームなどを通して展示を体験することで、エネルギーの可能性について学べる。

 ケーブルなしで電力を送る無線給電や、人の動きによって発生するエネルギーを電気エネルギーに変換する振動力発電など約30のエネルギーを紹介する。岡田康伸館長は「体を動かし、体験する価値を提供することで記憶に残るパビリオンになるのでは」と話す。

関西の民放ラジオ12局が合同特番

 関西の民放ラジオ12局が大阪・関西万博プロジェクトとして、4月29日午後2~4時に合同特番を放送する。関西の民放全局が同時間に同一コンテンツを生放送するのは初めて。

 番組のタイトルは「『KANSAI EXPO RADIO』~繋(つな)がろう!ラジオからこんにちは!~」

 出演は大阪府出身の伊原六花さんや各局のパーソナリティー。万博会場中央のフェスティバルステーションから放送し、リスナー150人を招待する。

 また、会期中は12局合同でオリジナルPodcast番組「おもてなし音声コンテンツ」を制作・配信する。配信開始は4月11日を予定している。

 万博特番の制作11社は次の通り。FM京都、FM滋賀、ABCラジオ、FM大阪、FM802、MBSラジオ、兵庫FM、京都放送、ラジオ大阪、ラジオ関西、和歌山放送(順不同)。