2025.03.19 【日系電子部品メーカー・商社 中国台湾拠点特集】尼吉康電子(宿遷)有限公司 ニチコン 導電性高分子アルミ固体電解コンなどグローバル供給拠点に
導電性高分子アルミ固体電解コンデンサーの製造工程
ニチコンは「モノづくりからコトづくり」をキーワードに顧客の期待を超える製品サービスを提供。製造業から創造業への転換を目指している。中華圏市場では品質、コスト、納期、サービス、技術などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営(第一級の、最高の経営)を展開し市場シェアを拡大する。
中華圏では製造2工場、開発1拠点を展開。その中の尼吉康電子(宿遷)有限公司(江蘇省宿遷市)は、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサー、フィルムコンデンサーのグローバル供給拠点として事業を推進している。両製品の2024年度の生産は前年度比1.1倍。xEV向けフィルムコンデンサーは、EV市場の不振を受けるもHEV、PHEV/PHVが下支えして需要は増えている。
今年は4月以降、計画を上回る動きになるとみている。ウィンドウズ10のサポート終了を背景に情報機器向けの生産が増えると予想。また、AI(人工知能)サーバー向けは徐々に増える可能性があるという。
同社はVGA、GPUなど処理能力が要求されるパソコンの電源平滑に使用される超低ESR、高許容リプルの製品化を、現存のRDSシリーズをベースに推進。車載分野向けでは、低圧はRDSシリーズをベースに封止技術の改善を行い、高圧はRKSシリーズをベースに部材を工夫して車載に必要な85度85%通電の耐湿性能を確保。SMDで培った長寿命化技術をTHDタイプ品に採用した製品を平滑分野にも展開していく。
創造業への転換に向けてはコトづくりを推進。「eスポーツ向けのPCは透明な筐体(きょうたい)で基板や部品が丸見え。コンデンサーが黒めっき仕様であれば見栄えも良い。顧客目線で創造する」(南出智嗣董事長)。
工場に4.6MWの太陽光発電パネルを設置してコストダウンに成功したほか、蓄電池10台を設置して電気代削減を図っている。