2025.03.19 【日系電子部品メーカー・商社 中国台湾拠点特集】欧達可電子(深圳)有限公司 オータックス 技術開発センターの役割強める
深圳新工場の外観
オータックスは、グローバル生産体制再編に向け、「チャイナ+ビッグ1」としてタイ工場を強化するとともに、中国工場では中国国内向けを中心とした製造拠点として付加価値を高めている。
中国現地法人「欧達可電子(深圳)有限公司」(深圳市)は、自動機で高付加価値の製造を行うほか、グループの複数の海外工場のHUBセンターに位置付けられ、近年はR&Dセンターとしての役割をより強めている。
同法人は1995年に創業し今年で30周年。組み立てや、プレス、成形などの部品加工、めっき、金型設計、自動機開発、製品設計などの機能を備え、スイッチや端子台、コネクターなどの一貫生産を行う。中国国内販売の仕組みも構築している。
先頃、深圳新工場が完成し、2月中旬から順次稼働している。工場規模は敷地面積約8000平方メートル、延べ床面積約1万2000平方メートル。従業員数約600人。クリーンルームで組み立てを行い、IATF16949認証も取得済みだ。
オータックスの富田周敬社長は、深圳工場について「長年の活動を通じて良い人材が育成されているため、技術開発センターとしての役割をより強めていく。労働意欲が高く教育水準も高いため、そうした人材基盤を活用する」と話す。
同工場では自動化・省力化を強力に推進。DIPスイッチや端子台の組み立ては大半を自動機で行い、電源スイッチも製品リニューアルにより自動機生産が進んだ。AI(人工知能)活用も積極的に行う方針で、「AIを活用した自動走行システムを工場内物流に生かしていく」(富田社長)。
同工場の技術開発部門には設計開発と生産技術開発を合わせて約30人のエンジニアが在籍。他工場への設備移管でも深圳の技術者を派遣して技術サポートを実施している。
同社グループの中国工場はこのほか、端子台製造の無錫工場(無錫市)、金属加工の鶴山工場(江門市)がある。