2025.04.30 山火事対策のIoTで日米に格差 日本に技術あれど市場なし

センサーの設置イメージ

森林多い自治体や電力会社に需要

 今年の春は日本でも山火事の被害が多く、米国を悩ませる災害が「対岸の火事でなくなった」との声も出た。西海岸の乾燥などで発生する山火事が課題の米国と異なり、多湿の日本は水害を重視してきたが、国内でも気候変動による山火事リスクを示唆する分析もあり、対策が注目を浴びる。

米で活発な動き

 米国では国土安全保障省などが2020年から山火事対策用IoTセンサーを開発。24年に約200台の試験配備計画を発表した。LTE通信機とバッテリー、太陽電池を備え、粒子状物質、化学物質、ガスを検出して人工知能(AI)で分析し、自動で警報を発する。

 スタートアップの活動も活発で、米トーチ・センサーズは3月、カリフォルニアを含む複数の州でIoTセンサーの試験運用を始めた。年末までに3000台を設置予定だ。ヴァーシャ・トレムシンCEOは「現在は米国の大手電力会社や自治体への導入に注力し技術検証を進めている。日本展開の意向もある」と話した。日本でのパートナーについて初期段階の協議を行っているという。

日本では進まず

 日本では...  (つづく)