2025.04.28 NEC、3月期連結は調整後営業益28%増 ITサービス好調
NECの2025年3月期連結決算は、日本航空電子工業の非連結化などで減収となったものの、買収に伴う費用などを除いた調整後営業利益は前年同期比28.4%増の大幅増益となった。ここから一過性損益などを除いた実質のNon-GAAP営業利益も同36.8%の増益。好調な業績を受け、中期経営計画で掲げていた同利益の目標を1年前倒しで達成した。
主力のITサービスは、国内外とも好調に推移し増収増益。公共分野では自治体標準化と中央省庁向け案件が伸長した。製造業を中心に旺盛なDX(デジタルトランスフォーメーション)需要を吸収した。
社会インフラも増収増益を確保した。苦境のテレコムサービスは一過性の損益があるものの調整後営業利益は開発費などの費用効率化で増益を維持した。
宇宙・防衛領域は、政府予算増に伴う大型案件などの獲得で年間5000億円超の受注が継続。売上高は同34.0%増、調整後営業利益も同48.7%増加した。テレコムサービスの人員を宇宙・防衛に振り向けるなどさらなる成長を見据える。
昨年5月に立ち上げ新たな価値創造モデル「ブルーステラ」の売上高は前年度比44.3%増と堅調に成長した。
今期の連結業績予想では、Non-GAAP営業利益を中期経営計画比200億円増の3200億円に引き上げた。森田隆之社長兼CEOは「ITサービス・社会インフラともに堅調な需要が継続している。低収益事業の改善も進み、収益力が着実に強化されている」と語った。25年度末までに全ての低収益事業の方向性を決め、収益性向上を目指す。