2025.05.08 富士フイルムHD、3月期連結は営業益19%増

 富士フイルムホールディングスの2025年3月期連結決算は、半導体材料やデジタルカメラをはじめ、各事業が好調に推移し売上高が前期比7.9%増、営業利益が同19.3%増と、いずれも過去最高を更新した。

 会見した後藤禎一社長・CEOは「ヘルスケアで初めて1兆円を突破した。営業利益率も10%を超えた」と述べた。

 1~3月期は全セグメントで増収、営業増益となり、四半期業績でも過去最高を更新した。

 通期では注力するヘルスケアは、メディカルシステムで医療ITや内視鏡が好調だったほか、バイオ医薬品開発製造受託(CDMO)のデンマークの新規プラント稼働が寄与した。

 エレクトロニクスは、生成AI(人工知能)向けなどの先端半導体材料の需要を取り込むとともにディスプレー材料の需要が堅調で増収増益に。ビジネス向けは、デジタルトランスフォーメーション関連や欧米向け複合機の増加が寄与した。イメージングは、インスタントカメラやデジタルカメラの販売が好調で大幅な増収増益だった。

 今期連結業績は売上高、営業利益、最終利益ともに過去最高を目指す。バイオCDMOの新規大型施設稼働に伴う増収を見込む。なお通期見通しに米国関税政策による影響は織り込んでいない。現状では、営業利益の影響額を1.4億ドル減と見積もり、1億ドルの増減幅を設け試算。動向をみて減少幅を最小化する施策を打つとしている。