2025.05.09 NTT、3月期連結は売上高過去最高も減益

 NTTの2025年3月期連結決算は、NTTデータグループやNTTドコモの金融決済サービスなどが伸び、営業収益(売上高)は過去最高を更新した一方、モバイル通信サービス収入減などで営業減益となった。当期利益も前年度の株式売却益の反動で前期比21.8%の減益となった。

 島田明社長は「将来の利益拡大に向け、データセンターなど成長分野への積極的な投資を継続してきた。2027年度に向け、これまでの成長投資の成果を確実に実現することで、利益成長を加速させていきたい」と話した。

 総合ICT事業は、通信サービス収入減はあったものの金融決済サービスが伸び増収を確保したが、顧客基盤強化やネットワーク品質の向上に向けた施策展開により減益となった。

 地域通信事業は、ネットワーク収入減に加え、前年度に実施した資産スリム化の反動減などで減収減益。事業の選択と集中や業務改革など抜本的なコスト構造の見直しに取り組む。

 グローバル・ソリューション事業は、国内のデジタル化需要の取り込みに加え、為替の影響も約1400億円のプラスに働き増収増益。

 不動産・エネルギー等は、NTTアーバンソリューションズのデータセンターエンジニアリングの拡大などで増収となったが、資産売却益の減などにより減益だった。

 今期連結業績は増収増益を見込む。