2025.05.13 カシオ計算機、3月期連結は減収・営業益横ばい

 カシオ計算機の2025年3月期連結決算は、2024年10月にランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の攻撃を受けシステムなどが停止した影響などもあり、前期比2.6%減収となった。営業利益は同0.2%増とほぼ横ばいとなったが、経常利益が同21.1%減、最終利益が同32.3%減だった。

 第4四半期(1~3月期)の時計事業は、中国が低調だったものの北米や欧州など、各地域とも堅調に推移したことで同1.4%増収となり、営業利益も同3.7%増と堅調に推移した。中国を除くと同5%増収だった。

 コンシューマーのEdTech(教育)はドイツが堅調に推移し計画通りでの着地。サウンド(楽器)は欧州など海外での市況の厳しさが続き減収となったが営業損失は改善し計画通りだった。

 今期連結業績は増収、大幅増益を見込む。計画には米関税政策の影響は含まない。会見した執行役員の田村誠治IR・財務戦略担当は「政策が流動的なため、予想には影響を織り込んでいない。現状、米国出荷を停止し在庫対応するとともに、今後は価格転嫁や生産地移管などで対応する」と見通しを示した。