2025.06.02 部品実装工程の検査、韓国コーヨンが存在感 「AIは進歩に不可欠」

韓国のコーヨン本社

インタビューに応じたフィシュタル氏インタビューに応じたフィシュタル氏

 半導体や電子部品をプリント配線版(PCB)に実装するSMT(表面実装技術)工程で、最先端の検査ソリューションを提供する韓国コーヨン・テクノロジーが大きな成長を遂げている。同社のグローバル・マーケティング・コミュニケーション責任者であるブレント・フィシュタル氏に、市場動向や同社の取り組みについて話を聞いた。

 ―コーヨンの製品について教えてください。

 フィシュタル氏 当社はSMT工程の検査ソリューションを主に提供している。PCBの表面に塗布するペーストはんだの印刷状態を検査する「SPI」や、実装された部品の状態を検査する「AOI」などが主力製品だ。

 ―半導体や電子部品などの最新トレンドは。

 フィシュタル氏 最近の電子機器はより小さく、より速く、より多機能な設計を要求しており、それが半導体や電子部品の実装を複雑にしている。小型化や高密度化、異種集積化などのトレンドは、従来の検査・組立能力の限界を押し広げている。

 ―基板実装におけるAOIとSPIの重要性は。

 フィシュタル氏 検査はもはや単なる品質チェックポイントではない。SPIとAOIはそれぞれ、SMT工程の重要な段階でフィードバックを提供する。 SPIは印刷後のペースト塗布を評価し、AOIは部品実装後の配置やリフロー後のはんだ付け不良を特定する。当社のSPIとAOIは、統一された測定基盤を共有し、欠陥検出とプロセス洞察力を高める一貫した信頼性の高いデータを提供する。

 ―トレンドである「インダストリー4.0」やAI(人工知能)をどのように検査装置に活用していきますか。

 フィシュタル氏 当社はインダストリー4.0とAIをエレクトロニクス製造の進歩に不可欠なものとして全面的に受け入れている。事業戦略の中核にあるのは、SPIとAOIを接続し、生産データをリアルタイムで収集・分析する「KSMARTプラットフォーム」だ。

 このデータ主導の環境は、より良い意思決定、プロセスの透明性、トレーサビリティーを可能にする。AIと機械学習はいくつかのコア機能を強化するものだ。手作業を減らし、一貫性を向上させ、業務を合理化することができる。

<執筆・構成=半導体ナビ