2025.06.03 SmartHRの事業戦略説明会 30年に1000億円の売り上げ 4日から新機能も
右から説明会に参加した芹澤CEOと、森雄志CFO
クラウド型人事労務サービスを手掛けるSmartHR(スマートエイチアール、東京都港区)は3日、2030年に売り上げ1000億円を目指す方針を発表した。クラウド型人事労務ソフト「SmartHR」を軸に、M&A(合併・買収)や協業を進め、目標を達成したい考えだ。
「タレントマネジメントでは労働人口の不足で人や組織への投資、労務の領域でもオンプレからクラウドへシフトする流れがあるなど、全体で市場が伸びている。これらに合わせて事業を拡大する」。同日、東京都内で開催した事業戦略発表会で、芹澤雅人CEO(最高経営責任者)はこう力を込めた。
同社がSmartHRの提供で目指すのは、導入企業にとっての「人的資本経営プラットフォーム」になることだ。そのために強化していくこととして、①給与機能の統合②AI(人工知能)による業務効率化③サービスの拡大――の3点を挙げる。
その一環として4日から提供を開始するのは、登録されている従業員データを利用してデータの加工・連携業務を最小限に抑えた「給与計算」機能だ。2月から提供している「AI履歴書読み取り機能」に加え、人事・労務関連の問い合わせにAIが答える「AIアシスタント」機能も今年中には提供を開始する予定で、業務の効率化にもつなげていく。
人事労務以外となる情報システムや、業務の一部を外部委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)にもサービスを拡大する。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)アカウントを簡単に管理できる「ID管理」機能を8月から提供予定。ITシステムの導入・支援を行うテクバン(東京都港区)と協業し、入退社や異動、休職に伴う端末管理を外部委託できる新サービスの検討も開始している。
自社開発と協業のすみ分けについて芹澤CEOは「従業員と管理者相互に使いやすいインターフェース、SaaS自体など、自社の強みを生かせる事業領域は自分たちで作っていく」と説明した。