2025.06.05 エヌビディア製GPUが最高性能を記録 前世代の2.2倍に

 米半導体大手のエヌビディアは5日、機械学習モデルの性能を測る「MLPerf」のトレーニング部門の最新版で、すべてのベンチマークの大規模なスケールで最高性能に達したと発表した。

 提出したのは、同社が提供する最新アーキテクチャー「Blackwell」搭載のAI(人工知能)スーパーコンピュータ―。最も厳しい大規模言語モデル(LLM)に特化したテストで、前世代アーキテクチャー「Hopper」の2.2倍の性能を記録した。

 MLPerfの学習性能に関するベンチマークは2018年から始まり、今回で12回目。LLMに特化したベンチマークは、米メタ社のモデルである「Llama 3.1 405B」を使った事前学習だ。

 米IT大手のIBMやGPU(画像処理半導体)クラウドベンダーのCoreWeaveと連携しスパコンを提出。合計2496基の「Blackwell GPU」と1248基のエヌビディアの「Grace CPU(中央演算処理装置)」を搭載した「GB200 NVL72」を使ったという。

 エヌビディアは、データセンターを「トークンを生成する工場」という意味で「AIファクトリー」と位置付けており、その高性能化に向けてさまざまな展開を進めている。同社のジェンスン・フアンCEOが台湾・台北市で先月開かれたICT見本市で講演に立った際にも、「当社はAIインフラの企業になった」と宣言していた。

 今回の発表は、そうした総合的な取り組みを進める同社が、AI処理の性能で世界の先頭を走っていることを示した形だ。