2025.06.05 【サステナブル環境特集】東レエンジニアリング LIBコーターで脱炭素に貢献
環境配慮型「グリーンコーター」
東レエンジニアリング(TRENG)は、先端技術や製品を通じて課題を解決する「サステナブル・エンジニアリング」を掲げる。リチウムイオン電池(LIB)電極用の塗工装置(コーター)はカーボンニュートラル社会実現を促進する製品として位置付ける。
LIBの電極製造では、電極材料と有機溶剤を調合した塗液を塗工装置で金属素材に塗布する。LIB製造工程の中で塗液乾燥・溶剤回収に要するエネルギー消費量は全体の半分程度を占める。
環境配慮型の塗工装置「グリーンコーター」は乾燥炉と有機溶剤回収装置を一体化。熱風を循環再利用するためダクト、排ガス処理装置を簡素化している。1ライン当たりの乾燥・溶剤回収工程の消費エネルギーとCO₂排出量は従来と比べ25%削減、防爆基準管理濃度の規制緩和効果と合わせると最大で55%の削減効果を示す。
同社は次世代に向けてLIBコーター用の技術開発を推進。塗布制御システム「スマートコーター」は塗工膜厚・重量・幅検査データを自動でフィードバック。塗工のTD(幅方向)、MD(走行方向)を自動制御し、材料ロス削減、省技能、省人化が図れる。SCADA(データ収集・運転管理システム)も活用することで試運転・塗工条件出しを短縮し、生産性向上を促進する。
両システムは従来機種にアドオンできる。