2025.12.25 東芝、カザフスタン郵便と自動搬送ロボの活用で意向書を締結 倉庫業務の効率化支援

 東芝は、カザフスタン共和国の郵便事業体であるカザフスタン郵便(Qazpost JSC)と、自動搬送ロボット(AMR)を活用した倉庫業務の効率化に関する協力を目的とした意向書を締結したと発表した。

 調印は東芝本社で行われ、カザフスタン郵便で最高財務責任者(CFO)を務めるAzamat Keskinbayev氏と、東芝常務執行役員の辻巌が署名した。

 カザフスタンは世界最大の内陸国で、アジアと欧州を陸路で結ぶ物流ルートの要衝に位置する。電子商取引(EC)が爆発的に増えており、倉庫業務の効率化が不可欠となっている。こうした中でカザフスタン郵便は、EC事業者をターゲットとした配送委託業務の拡大を目指している。

 そこで東芝は4月、棚ごと商品を運ぶAMRを使った「Goods to Person(G2P)」システムを適用した実証実験を、カザフスタン郵便の大型物流センター「アスタナフィルメントセンター」で行った。同システムの導入により、オペレーターが広大な倉庫内を歩き回って商品を探す従来方式を革新。必要な商品がオペレーターがいる場所まで自動的に運ばれ、負担やミスの少ない効率的な倉庫業務を実現できることを確かめた。

 今回の意向書は、実験の成果を踏まえ、カザフスタン郵便が顧客情報の収集やモデル構築を進め、G2Pシステムの本格導入を目指すというもの。現在、センターに設置されている東芝製AMRデモキットをカザフスタン郵便の顧客施設に移設し、トライアルを行う提案も含まれている。東芝は、2026年度上期中の新規導入を目標としている。

 東芝は今年3月にアゼルバイジャンでも、郵便物の仕分けの効率化に向けた実証実験を実施。長年培った郵便事業の知見を生かしてシステム販売にとどまらず、運用ノウハウを含めた総合ソリューションを提供し、地域の郵便・物流業務の効率化に貢献していく方針だ。