2026.03.10 埼玉県とNTT東など8者、下水道管路DXで共同研究 点検から補修まで一体化、予防保全モデル構築へ
埼玉県、埼玉県下水道公社、NTT東日本埼玉事業部を代表とする民間企業6社で構成する共同研究体の計8者は10日、下水道管路維持管理の「工程一体化DXモデル」の構築に向けた共同研究協定を締結した。点検・調査、解析、補修、情報管理といった維持管理の各工程をデジタルで連携させ、一気通貫で運用する新たな管理モデルを全国に先駆けて検証する。
下水道管路の維持管理は工程ごとに専門分野や実施主体が分かれており、情報の連携が難しいことや人手依存の作業が多いことが課題となっている。また、管路内では硫化水素の発生など危険を伴う作業も多く、点検や調査そのものに制約がある。こうした状況が異常の早期発見や予防保全の妨げとなっている。
今回の共同研究は、埼玉県が公募した「下水道管路マネジメントシステムの共同研究」にNTT東日本埼玉事業部を代表とする研究体が選定されたことを受けて実施するものである。2026年3月10日から2027年度末までの約2年間、流域下水道管路を実証フィールドとして技術検証を進める。
共同研究体はNTT東日本のほか、NTT e-Drone Technology、NTTインフラネット、国際航業、染めQテクノロジィ、日特建設の6社で構成する。NTT東日本が研究全体の統括・調整およびDXモデル設計を担い、各社の専門技術を組み合わせて取り組む。ドローンによる管路内点検、AIによる解析、3Dデータ化、GISを活用した施設情報の可視化、補修技術の高度化などを役割分担して推進する。

具体的には、ドローンを活用した管路内点検とAIによるひび割れや腐食の自動検知、3D点群データ化による施設情報管理、吹付け工法や特殊塗料による修復強靭化などの補修技術の開発を進める。点検から補修、情報管理までのデータを統合し、維持管理プロセス全体をデジタルで接続する。
これにより点検作業の安全性向上や補修判断の迅速化、施工時間の短縮を図り、限られた人員でも効率的な維持管理を可能にする見込みである。さらに施設情報や補修履歴を3DやGISで可視化することで、県民への情報公開や自治体の管理高度化にもつなげる。
背景には、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管路に起因するとみられる道路陥没事故がある。老朽化した管路の維持管理体制の見直しが急務となる中、関係機関の連携による新たな管理手法の確立が求められている。
研究成果は県内流域への展開を視野に入れるほか、他自治体への横展開も想定する。点検結果が補修や管理まで途切れなく連携する予防保全型の維持管理モデルを構築し、持続可能な社会インフラ管理の実現を目指す考え。








