2026.03.23 【電子部品メーカー/商社 中国・台湾拠点特集】中国NEV市場、拡大続く

25年BEV販売4割増、日系部品各社はスピード戦略強化

 中国の電気自動車(EV)市場の拡大が続いている。中国自動車工業協会(CAAM)によると、2025年の中国でのBEV(バッテリーEV)を含む新エネルギー車(NEV)販売台数(輸出を含む)は前年比28.2%増の1649万台となり、過去最高を更新した。内訳はBEVが同37.6%増の1062万2000台、PHV(プラグインハイブリッド車)が同14.0%増の586万1000台。世界のEV市場が停滞する中、中国系EVの強さが際立っている。

 中国は2015年に世界最大のEV市場となり、その後も拡大を続けている。20年以降のコロナ禍でも高い成長を維持し、NEV市場は2桁成長が続いた。

 24年以降、欧米市場ではEV市場の成長鈍化が目立ち、世界の自動車新車販売も減速傾向にある。こうした環境下でも中国のNEV販売は拡大し、24年は前年比35.5%増の1286万6000台と初めて1000万台を突破。25年も同28.2%増と高い成長を維持した。

25年の自動車販売全体に占めるNEV比率は47.9%となり、前年から7.0ポイント上昇した。

 中国の25年の自動車総販売台数(輸出を含む)は前年比9.4%増の3440万台となり、17年連続で世界首位となった。政府による自動車買い替え支援策の効果もあり、年初の予測を上回った。内訳は国内販売が同6.7%増、輸出が同21.1%増と大きく伸びた。

 CAAMによる26年の見通しでは、自動車総販売台数は前年比1.0%増の3475万台と伸びは鈍化する見込みだが、NEVは同15.2%増の1900万台と引き続き成長が予測されている。

 最近の中国市場ではEVメーカー間の競争が激しく、メーカーの優勝劣敗も鮮明になっている。BYDなど大手メーカーが生産を伸ばす一方、中堅以下のメーカーでは淘とう汰たの動きも見られる。EU(欧州連合)による中国製BEVへの関税措置や、米トランプ政権による対中追加関税などが欧米向け輸出に与える影響も注目される。

 中国政府は国策として化石燃料から電力ベースへのエネルギー転換を進めており、NEV需要は中長期で拡大が見込まれる。最大手のBYDをはじめ、BEVのグローバル展開を強化する企業も増えている。

 こうした市場拡大を背景に、日系電子部品メーカーや商社は中国NEV市場を視野に入れた取り組みを強化している。中国ローカルの有力EVメーカーやローカルTier1、バッテリーメーカーへの営業活動を強化し、中国での車載ビジネス拡大を図る。

 中国系EVメーカーは開発スピードが極めて速く、企画から量産まで1~2年で進むケースも少なくない。こうした環境を踏まえ、日系電子部品各社はスピードを重視した対応を進め、中国EV市場への対応力強化を図る。