2026.10.09 「まほうびん記念館」で企画展 お湯の道具と暮らしの変遷紹介 象印
「まほうびん記念館」企画展の会場
象印マホービンが運営する「まほうびん記念館」(大阪市北区)で、7日から「お湯の道具と暮らしの変遷~まほうびんの進化と電気の道具たち」と題した企画展が始まった。2027年6月30日まで開催する。
同展は、国立科学博物館が選定する2026年度「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」で、同社の「中せんなしエアーポット」と「ガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置」の2件が登録されたことに合わせ、これらの技術の紹介を含め大正から現代にいたる魔法瓶の歴史を振り返ろうと企画された。
本社1階に構える「まほうびん記念館」は、同社90周年を記念して08年に開館。今年9月末時点で累計来場者数は約2万2000人を数え、国内唯一の魔法瓶の歴史と暮らし・文化を学べる貴重な施設として、海外も含め多くの人に親しまれている。
同社製品にとどまらず、他社製品も含め、技術的価値や時代を象徴する魔法瓶や電気ポット・ケトルを一堂に紹介。お湯の道具とその背景となる文化の変遷を絡ませて、時代を追いながら知ることができる。
今回の企画展では、毎日の食生活に欠かせない「お湯」の沸かし方や保温の方法が、時代の移り変わりやライフスタイルの変化に合わせ、大きく姿を変えてきたことを知ることができる。
お湯の道具の進化を通し、その背景の暮らしの変遷を学ぶことで、それぞれの年代の来館者にとって懐かしい製品も多い。過去に使ったことがある魔法瓶を懐かしみつつ、「自分史」も重ねながら楽しめる。
主な展示内容は、①まほうびんの登場〜お湯を「まもる」道具のはじまり〜②まほうびんの進化〜生活を変えるお湯の道具へ〜③まほうびんから電気の道具へ〜ライフスタイルと意識の変化〜。
第一章「まほうびんの登場」では、大正から昭和初期、その都度沸かしていたお湯を「温かいまま保つ」という革新をもたらした魔法瓶について解説。
戦前・戦後の製品を通し、食卓での保温や外出先への持ち運びなど、お湯をまもる技術が人々の暮らしをいかに豊かに変えたのか、その始まりをたどる。
第二章「まほうびんの進化」では、高度経済成長期、生活様式の変化とともに、さらなる進化を遂げる魔法瓶の歴史を追う。
昭和の高度経済成長期に一世を風靡(ふうび)した華やかな花柄の魔法瓶をはじめ、利便性を追求して進化した製品とその技術に加え、ラーメンやコーヒーなどインスタント食品が普及し、変化する食生活に合わせ発展を続けたお湯の道具の軌跡がわかる。
第三章「まほうびんから電気の道具へ」では、魔法瓶から電気で沸かす・保温する時代への変遷を紹介。
現代では、省エネ意識の高まりや時短など、ユーザーの要望がより細分化されている中で、電気ケトルの登場など、ライフスタイルの変化に適応しながら、多様に進化してきたお湯の道具の現在を知ることができる。
企画展について、杉山一美館長は「10月いっぱいは予約で埋まっている」と話す。1日最大5組(各組10人以内)まで受け入れているが、すでに同社ホームページなどで企画展を知った人が、続々と申込しているという。
国内で唯一、お湯の道具の進化を知ることができる貴重な企画展として、話題を集めそうだ。












