2020.07.30 【電子部品技術総合特集】5G用高周波部品ミリ波対応MMICなど開発に力

ミリ波帯RFアンテナモジュール

 5G通信の本格実用化に向け、高周波部品メーカーなどでは、ミリ波対応デバイスの技術開発を加速させている。ミリ波技術は以前から自動車衝突防止用ミリ波レーダー(76ギガヘルツ)などで実用化されてきたが、今後は5Gにより、一気に情報通信分野でのメインストリームになることが見込まれる。このため、高周波デバイス各社は、5Gに照準を合わせ、28ギガヘルツや39ギガヘルツなどに向けたミリ波対応MMICやモジュールなどの開発に力を注いでいる。5Gスマホへの内蔵化のため、モジュールの小型化や低コスト化にも力が注がれる。

 5G通信は低遅延、多数個接続などの特徴を持つため、5Gの普及はIoT市場の拡大を促進することが期待されている。これにより、電子部品各社はIoT市場をターゲットとした各種無線通信モジュールの開発に注力している。

 各社は、モジュールの小型化に向け、高機能基板への部品内蔵、微細チップ部品による両面実装、解析技術や構造評価技術、パッケージング技術などを追求した製品開発に注力する。

 同時に、各社は各種無線通信モジュールとセンサー、ソフトウエア/アルゴリズム等の組み合わせによる複合モジュール/システムの開発およびAI(人工知能)による解析なども付加したサービスを提供することで、新規市場開拓や新規ビジネス創出に力を注ぐ。

 5G送受信アンテナでは、ビルなどの窓を基地局化できるガラスアンテナなどが開発されている。