2020.08.19 【コネクタ特集】クラレコネクタ向けに「ジェネスタ」実績拡大
クラレは、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」を事業化し、電気・電子分野のコネクタ向けや、自動車関連(車載電装/自動車耐熱部品)を中心に実績を拡大している。
ジェネスタ(PA9T)は、同社が世界で初めて工業化したノナンジアミンを使用したポリアミド樹脂。耐熱性、低吸水性、耐薬品性など、優れた特徴を持つ。
特徴は①優れた耐熱性(融点306度と高く高温時物性に優れる。はんだ耐熱性270度)②低吸水性。以上により表面実装時のブリスタ発生を防ぐ③優れたしゅう動性④優れた成形性など。これらの特性が評価され、年々販売規模を拡大している。
最近はコロナ禍に伴う巣ごもり需要で、PCやタブレット端末、ゲーム機などに使用されるコネクタ向けの販売が好調。DDR5/4での採用も進んでいる。自動車用途では、高CTIなどにより、EVのバッテリ回りに搭載される高電圧部品での採用が増加。自動車冷却部品などでの採用も増加しており、耐薬品性や耐熱性、低給水性などの特性が評価されている。
ジェネスタの販売強化のため、19年に米デトロイトに拠点を開設。欧州でも自動車向け担当者を増員した。現在、世界9カ国10拠点に販売や技術サービスの担当者を配置している。
筑波にはCAE解析を行う技術サポート部門があり、顧客との協創活動を行うことで、良い材料の開発につなげている。
新製品開発では耐熱性をPA9Tよりも高めたPA系樹脂を開発中で、一部サンプル出荷を開始した。