2020.09.18 【ASEAN特集】立花エレテック 中国から生産移管で需要増える

中村 MD

 立花エレテックは、海外子会社8社の持ち株会社「タチバナ オーバーシーズ ホールディングス(TOH、香港)」でASEANを含めた海外事業拡大を進めている。

 TOHの中村喜則MD(マネージングディレクタ)は「新型コロナ感染症拡大の影響を受けているものの、1-6月はサプライチェーンリスクを見越した半導体デバイスの前倒し需要や中国国内需要の4、5月からの回復、中国からASEANへの生産移管によるASEANの需要増などがあり、売上げは前年同期比を上回る結果となった。7月以降も例年需要が落ち込むエアコン向けが引き続き好調なほか、自動車関連向け需要も底を打ち回復基調にある。7-12月売上高は前倒し需要の反動はあるものの、堅調に推移すると見ている。主力商品の半導体デバイスに加え、中国やASEANで急増しているリモートで工場まるごと見える化したい、製造ラインまるごと見える化したい、というニーズに技術商社としてシステムやソリューション提案で応え、FAシステム事業も伸ばしていく」と話す。

 6月にマレーシア営業所を「タチバナセールスマレーシア」として現地法人化し、顧客密着型体制を強化した。

 また、現地のお客さま開発部隊への技術サービスを充実させるため上海、深圳、マレーシアに続きバンコクにも技術サポート部隊を配置した。

 さらに、4月に全株式を取得した八洲電子ソリューションズ(現・立花電子ソリューションズ)の海外事業を引き継ぎ、中国事業をTOHの上海と香港に、シンガポールなどのASEAN事業をTOHのシンガポールとタイで担当。両社の中国、ASEANの顧客に対し、従来の商材に加えて両社が得意とする商材の販売に力を入れている。

 中村MDは「1プラス1が2以上になる相乗効果が早くも出ている。半導体・電子部品とともにFAシステムの売上げを増やし、ベトナムやインドの需要増にも対応していきたい。現在、取り組んでいる立花エレテック中長期経営計画C・C・J2200で、TOHの目標売上げ達成を目指す」と言う。