2020.09.18 【ASEAN特集】サンワテクノス現地顧客に日本同様のサービス

古川 GM

 サンワテクノスは、ASEAN事業の重要拠点としてシンガポール法人「サンワテクノスシンガポール」(古川晋平GM=ゼネラルマネージャー)を展開。現地顧客に日本と同様のサービスを提供することで、顧客の価値向上への貢献を目指している。

 同法人は、同社グループ初の海外現法として95年に設立された。ASEAN流通の中心的役割を担う拠点として、電子部品販売やグローバルSCMソリューション(調達代行)事業を主体に事業規模を拡大している。ASEANの情報集積地の役割も担う。

 同社グループは、ASEAN6カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム)に現法を持つが、同法人はインドや新興国など同社が拠点を持たない国のサポートも行う。

 同法人の売上げは順調に増加してきたが、19年度は米中摩擦の影響で若干の減少となった。その中でもグローバルSCMソリューション事業は順調に増加。最近の動向について、古川GMは「米中摩擦で顧客の(中国から)ASEAN移管の案件が増えている。これまで中国で生産していたユーザーは中国で様々な部材を調達してきた。その中には特殊な金型や治具もあり、それらの調達が移管の課題となるため、我々が物流ネットワークを活用し調達支援を行うことで、最適生産・最適調達への貢献を目指している」と話す。

 販売品目は、日本の主要仕入れ先の電子部品や産業用ロボットなどを軸に、ローカル仕入先の発掘にも力を入れ、徐々に実績を上げている。分野別では、半導体製造装置、工作機械、産業用スイッチング電源、プリンタなどを中心に展開する。

 20年度重点方針は①既存顧客へのCS向上と深掘り②グローバルSCMソリューションを軸とした日系/非日系企業開拓③営業力(スペックイン活動)強化。重点拡販先は、新型コロナの影響によるデータセンターや5G関連投資の活発化を踏まえ、半導体業界への拡販を強化する。

 インドでの案件も増加しており、さらに拡販を加速させる。リモート営業も推進する。20年度の売上げは、過去最高の16億円前後を目標に置く。