2021.01.22 【照明総合特集】トップが語る21年事業戦略ホタルクス 山村 修史代表取締役社長

山村 社長

B2Bを21年度50%に高める 新事業を軸に売上げ拡大へ

 コロナ禍となった昨年ではあったが、当社のビジネスとしては比較的計画通りに進んだ。LEDシーリングライトが家電量販店やホームセンターなどの小売りルートで好調だった上、蛍光ランプも前年並みの水準をキープしていたのが大きい。半面、業務用は案件の先送りなどが見られ、苦戦した。ただ、20年度上期で見ると、増収増益を達成した。

 当社は設立してから2年がたとうとしている。日本みらいキャピタルの豊富なノウハウを生かして新たな取り組みも芽生えてきた。

 例えば、日本の空の玄関である空港に対する提案活動も進んでいる。ほかにも新事業として、光触媒による除菌脱臭機「HotaluX AIR(ホタルクス エアー)」を今春から本格販売を予定するなど、「照明+α」の取り組みにも注力している。

 新事業の立ち上げに本腰を入れるために、新事業開発部を組織し、10人程度で昨年9月から運営している。プロトタイプの設計・試作から、顧客に営業までできる人員をそろえている。潜在需要を掘り起こすとともに、マーケティングを強化する。

 これまでは営業が顧客からヒアリングした内容を技術部隊に伝え、製品化して顧客に提案するという形が主だった。しかし、これからは製品設計もできる技術者が直接顧客から困り事をヒアリングすることで、マーケットインの視点で製品を開発できるようにしていく。

 今年は、コロナの影響が続くことが想定され、市場環境は厳しいと見ている。とはいえ、B2Bは、コロナが落ち着けば設備投資が徐々に戻ってきて、回復基調になると考えられる。B2Cも19年の水準近くまで戻るのを期待したい。

 当社としては、事業の中身を変えていく必要がある。今年度売上げはB2Cが55%、B2Bが45%といった構成になる見込みだが、21年度にはB2Bを50%にまで高めたい。

 B2Bは、防災照明をはじめとする新事業を軸に売上げ構成を伸ばしていく。オリンピックを含め、経済状況は見通しにくいが、21年度は通期で増収増益を目指す。