2021.02.09 【掃除機特集】出荷台数が7年ぶりにプラス
パワーコードレス「MC-SBU840K」
コロナ禍の中、新しい生活様式が定着し、〝おうち時間〟が増えることで、掃除機の動きが活発だ。室内の汚れが目立ち、マメに掃除する人が増えている。清潔ニーズの高まりで、ロボット掃除機やコードレススティック掃除機に関心が集まっている。
掃除機市場は、20年暦年の出荷台数が471万6000台(前年比7.7%増)と7年ぶりにプラスに転じたほか、年末商戦(12月単月)は前年同月比で1.3倍と大幅に伸長した(日本電機工業会調べ)。
近年、共働き世帯の増加を背景に、家事負担の軽減へのニーズが高まっていたことと合わせ、掃除機の中でも軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機が特に注目を集めている。
コードレススティック掃除機は、使いたいときにすぐに使える手軽さから需要が伸び、18年度には台数構成比でキャニスタ掃除機を上回り、掃除機で主流の商品になっている。
今までキャニスタ掃除機を使っていたユーザーが、コードレススティック掃除機に買い替えるケースは多く、家庭でメーンの掃除機として使われている。
コードレススティック掃除機をメーンで使うユーザーはハイパワーを重視し、高級モデルへのニーズが強く、その都度サッと掃除する人や2台目の掃除機として選ぶ場合などは、軽量化をより重視するニーズが強く、中・低価格帯モデルへのニーズが強い。
また、ブラシに毛が絡まない、といったごみ取れ性能、パワーの持続性向上、さらにはデザイン性など、様々な視点で商品力強化を図り、ユーザーの清潔ニーズに応える商品戦略が活発だ。
パナソニックの主力製品
強力吸引の「パワーコードレス」
パナソニックは、紙パック式掃除機からコードレススティック掃除機、ロボット掃除機「RULO(ルーロ)」と、同社の幅広い商品陣容でユーザーの快適・清潔ニーズに対応していく。
需要が伸びるコードレススティック掃除機では、「からまないブラシ」を搭載した新製品を投入して好評だ。
主力モデルは、「パワーコードレス」MC-SBU840K/SBU640Kで、同社コードレススティック掃除機史上最高の吸引力(最大吸引仕事率205W)、最大運転時間約90分を実現する。
新開発「からまないブラシ」
同社の調べによると、ユーザーの93.6%が回転ブラシに毛が絡むことが不満と感じ、「手入れが面倒」「(汚いため)できるだけ触りたくない」と答える人が9割を超えるという。
毛が絡まず快適・清潔に
こうした不満を解消すべく、開発に3年をかけたからまないブラシは、中央に向かって先端が細くなる業界初の円すい形のブラシを2本採用した新構造を採用。かき取った毛をほどきながら中央に集めて吸引する。
ブラシの毛量を従来に比べ1.9倍に増やした密集ブラシにすることで、髪の毛やペットの毛がブラシの隙間・根本に入り込まず、絡みにくくなる。円すい形にしたブラシの効果で、捕集した毛は径の細い中央部へブラシの回転と風の力で移送され、中央部に集まった毛をまとめて吸引。毛量を増やしたことで、ごみ取れ性能もしっかり確保している。
からまないブラシは、キャニスタ掃除機のJコンセプトシリーズ紙パック式掃除機MC-JP830K、サイクロン式掃除機「プチサイクロン」MC-SR580K/SR38Kにも搭載する。
ロボット掃除機のラインアップ拡充
ロボット掃除機ルーロは、ラインアップを拡充して商戦に臨んでいる。
昨年4月に発売したルーロ最上位モデルMC-RSF1000に搭載した空間認識技術「レーザーSLAM」を搭載した中級・普及タイプ新製品として、昨年10月末からMC-RSF700・同RSF600を加えた。
ルーロの普及ゾーンまで「レーザーSLAM」を搭載し、より賢く掃除するよう進化させることで、ロボット掃除機需要の深耕につなげる。
レーザーSLAMは、全方位の間取りと自己位置を素早く正確に認識する空間認識技術。1秒間に10回転・360度全方位(半径8メートル)を照射して間取りや床にあるもの、動くものなど部屋の環境を素早く正確に認識・学習し、精度の高い地図構築と自己位置認識ができる。
ルーロのさらなる普及に向けキャンペーンも展開。期間中(3月31日まで)に対象商品(RSF1000/700/600)を購入のユーザーに、最大1万円キャッシュバックを実施している。