2021.02.22 【関西版】企業課題解決 NTTドコモのソリューション自販機に5G基地局、ダイドードリンコ
自販機に設置した5G基地局
NTTドコモ関西支社とダイドードリンコは、ダイドーの自動販売機の上部に5Gアンテナ(3.7ギガヘルツ帯)を設置し、5G携帯電話向けのサービスエリア拡充を3月に開始する。大阪市内で展開し、来年度には2、3カ所に開設予定。再来年度にはエリアや規模を拡大する。
両社は自動販売機のオンライン化などで以前から連携を推進。5Gのエリア展開の早期対応を目指す上で今回の共同構築に至った。「自動販売機の5G基地局化」によるサービスエリアの提供は、日本で初めて。
今回の企画は18年から構想。同支社の若手を中心とした新しい取り組みを進めるプロジェクトの中からスタートした。
「建物の屋上や壁面の基地局は景観を損ねることが問題にあった。また、設置にも時間がかかっていた。自動販売機の基盤を生かした5Gのエリア構築は、スピード感を持ってできると考えた」と同支社法人営業部の石川敏郎担当。
昨年11月の発表までの2年間は会議や打ち合わせを重ね、自動販売機と基地局のマッチングや契約スキームなどに時間をかけた。基地局は自動販売機に負担をかけず、景観も損ねない筐体に仕上げた。
アンテナは半径約200メートルのエリアをカバーするスモールセル基地局。大型の基地局のスポットとなるエリアをカバーする。今回3月に開設予定の基地局は大阪市内のエリアでトライアル的に実施。来年度も大阪を中心に2、3台の設置を目指す。再来年度には本格稼働を目指し、全国での展開も視野に入れる。
「5Gの特性を生かしスマートシティーの構築や地方創生につながるソリューション、新たなプロモーションなどを視野に取り組みを強化する。自動販売機の横で高画質の動画プロモーションを行うなど可能性は広がる。法人営業部とネットワーク部の連携でパートナー企業の共創につなげたい」と石川担当は語った。